マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の最新作『キャプテン・マーベル』(Captain Marvel)の全米公開が8日よりスタートした。ブリー・ラーソン(Brie Larson)が、女性のスーパーヒーローを演じる。
Varietyによると、北米4,310館で公開され、週末のオープニング興行成績は1億5500万ドル(約172億円)に達するとみられる。中国を含む海外の興収も好調で、既に1億2700万ドル(約141億円)を記録している。
スタン・リー氏へのトリビュート
同作品では、昨年11月に95歳で亡くなったスーパーヒーローの共同クリエイター、スタン・リー(Stan Lee)氏を追悼するシーンが登場し、多くのファンを喜ばせている。
オープニングロゴでは、通常マーベルヒーローたちが次々と登場する短いクリップが流れる。
『キャプテン・マーベル』では、リー氏がマーベル作品で登場したカメオシーンに置き換えられ、最後には「Thank you, Stan」とリー氏の偉業を讃えるメッセージが表示された。
そのシーンを見た観客席からは、大きな拍手が起こった。
マーベルスタジオのケヴィン・ファイギ(Kevin Feige)社長は、「亡くなって最初に公開される映画では、すぐに彼のことを認識してもらう必要性を感じた。映画が始まった直後に、悲しい形ではなく、お祝いする方法でね。」とEWのインタビューに語っている。
カメオでも登場
リー氏は、マーベル作品に様々な役でカメオ出演していることで知られる。これまでも、警備員やエイリアン、配達員やDJ役などで登場してきた。
リー氏は、新作にもカメオ役として登場し、観客を驚かせた。今回は、本人役での出演だ。
リー氏は、ケヴィン・スミス監督作『モール・ラッツ』(Mallrats)の脚本を見ながら、映画と同じ台詞「Trust me, true believer」をつぶやく。
1995年米公開のカルトコメディ『モール・ラッツ』は、ニュージャージー州郊外のショッピングモールを舞台に、怠惰なオタク2人の日常を描いた映画で、リー氏も出演している。
リー氏は生前、カメオ役として出演したなかで、最も好きな作品の一つに同作品を挙げていた。
EWによると『キャプテン・マーベル』のシーンは、劇場公開の約1年前に撮影されたという。
共同監督を務めたアンナ・ボーデン(Anna Bode)氏は「彼に会う最期ということの重大性を知らなかったとしても、それは畏敬の念に満ちた瞬間だった。」と撮影の様子を振り返った。「みんなが立ち止まり、象徴ともいえる人物に敬意を表した。」と語った。
劇場では、リー氏のカメオに驚きの声とともに、再び拍手が沸き起こった。どのシーンに登場するかは、見てのお楽しみだ。
日本公開は3月15日より。