ベト・オルーク(Beto O’Rourke)元テキサス州下院議員(46)は14日、2020年の大統領選に向け、民主党の候補者指名争いへの出馬を発表した。
同日朝に公開したキャンペーンビデオでは、自身のキャンペーンを「ポジティブなキャンペーン」と称し、医療制度や刑事司法制度改革、移民制度、差別、気候変動など「相互に関連し合う危機」について「一人ひとりの最善を引き出し、分断された国家を一つにすることを求める」ものだと語った。
中でも気候問題を「我々の存在が依存するが為に、すべてにおいて最も重要」と強調し、「我々は確実に真っ向から立ち向かおうとする数百万人の発明と創造の力を解き放つことができる」と語った。
2018年中間選挙で、テキサス州から上院選に出馬したオルーク氏は、テッド・クルーズ氏に2ポイントの僅差で敗退した。共和党支持が強固な州での接戦は、全国的な注目を集めた。2ポイント差は、同州の上院選では1978年以来の僅差だという。少額献金を中心に8,000万ドルの記録的な選挙資金を集めたことも大きな話題となった。敗退後、大統領出馬を期待する声が高まっていた。
個々の政策は?
大統領選挙出馬にあたり、個々の課題や政策についてはまだ立場を明らかにしていない。
ニューヨークタイムズによると、これまで国民皆保険については、他の民主党候補者と同様に支持を表明している。昨年の中間選挙では、政府機関が負担する単一支払者制度と、私企業と政府両方が負担する2重システムのどちらもありうるというスタンスだった。なお、下院議員だった2017年には、単一支払者制度と考えられる「メディケア・フォー・オール」がベストであると述べていたが、2018年中間選挙では、この言葉を意図的に避けたという。
気候変動に関しては、オカジオ・コルテス下院議員らが提出したグリーン・ニュー・ディールへ前向きな姿勢を示している。出馬発表の数時間後に、アイオワ州キオカクにあるコーヒーショップで有権者らと質疑を行った際、オルーク氏は「実行のための方法を見つけよう」と呼びかけた。また同集会において、妊娠中絶について聞かれると「すべての女性は自身の体について、自ら決定を行うことができるべきだ」とプロチョイスの立場を示した。
刑事司法制度については過去、人種や経済的不平等の観点から改革を訴えている。営利目的の私企業が運営する刑務所の廃止やマリファナの非犯罪化、非暴力犯罪に対する強制的な最小懲役制度の削除、保釈金制度の改革を訴えている。
移民制度については、私企業による収容施設の閉鎖のほか、取り締まり当局の「武装化」や国境の壁建設に反対を表明している。
銃規制に関しては、身元確認の厳格化、マガジンの大きさやセミオートマティック銃に対する規制を支持。銃を隠して所持するライセンスを、異なる州でも認める「隠し銃携行許可法」については反対をしているという。