2020年大統領選で民主党候補者争いへの出馬が期待されるジョー・バイデン前副大統領(76)だが、ここにきて2人の女性が過去にバイデン氏から不適切な行いをされたと名乗りでるなど、出馬に不利な疑惑が浮上している。
最初に告発したのは民主党のルーシー・フローレス(Lucy Flores)氏。2014年にネバダ州副知事選に出馬した同氏は、選挙3日前の集会の舞台の袖で、応援にかけつけたバイデン氏から、肩に触れられるなどしたほか、後頭部にキスをされたことをThe Cutに投稿した。
心境についてフローレス氏は「不安を感じ、気分が悪くなり、混乱を覚えた」と語り、バイデン氏の振る舞いは暴力や性的なものではないが、下品で失礼なものだと述べた。
フローレス氏の告発を受け、バイデン氏のスポークスマンはThe Hillに対し、本人とスタッフともに出来事に心当たりがないとしつつ、「フローレス氏には、記憶と心境を共有するすべての権利があり、彼女がそうする機会があるということは、社会が良い方向に変化することである」と声明を発表した。
さらにバイデン氏本人も31日に声明を発表した。
バイデン氏は、公人としての生活の中で、不適切に振る舞ったことは決してないと、疑惑を否定。「もしそのように受け止められたのならば、敬意を持って耳を傾ける。しかし、決して意図したものではなかった」と述べた。
フローレス氏は31日、CNNのインタビューに出演し、告発の理由を「バイデン氏が大統領選への出馬を検討しているため」と語り、過去何年にもわたりバイデン氏の振る舞いが記録されているにも関わらず、メディアは真剣に取り上げていないとし、候補者分析の一部として、除外してはならない重要な面であると語った。またバイデン氏の行いを「完全に不適切で、いかなる職業の場でもおこるべきではない」と述べ、大統領候補として出馬する「資格がない」と意見を述べた。
なおフローレス氏は現在、2020年大統領選の民主党予備選に出馬するバーニー・サンダース上院議員が2016年に立ち上げた政治組織「Our Revolution」の役員に名を連ねている。
新疑惑が浮上
さらに1日、コネチカットの女性が、バイデン氏から不適切な振る舞いを受けたことを告白した。
告白したエイミー・ラッポス(Amy Lappos)さんは2009年、同州選出のジム・ハイムズ下院議員のファンドレイジングイベントにボランティアとして参加した際、出席していたバイデン氏から、鼻をこすりつけるような仕草をされたとハートフォード・クーラント紙に語った。
ラッポスさんは同紙に対し、「性的ではなかったが、彼は私の頭をつかんだ」と語り、「私の首にてを回し、引き寄せて鼻をこすりつけた。引っ張られたとき、彼は口にキスするのではないかと思った」と状況を述べた。また同氏は、バイデン氏が近づいてきた時、極度に不快だったと心境を語った。
その後、ラッポスさんは告白の理由について、ルーシー・フローレス氏の話を巡る民主党の対応に失望したためと声明を発表。さらに「バイデン氏が女性と性の平等を心から支持するならば、身を引き、才能に恵まれた、資格のある女性候補者を支持するべきだ」と、出馬への反対を表明した。