上院司法委員会メンバーのコーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州)は9日、奴隷制の補償を検討する委員会の設置法案を提出した。
法案は、今年1月にシェイラ・ジャクソン・リー議員が下院に再提出したものと同一で、通過した場合、委員会を設け、奴隷制の影響と現在に続くアフリカ系アメリカ人への差別を研究、補償の提案を行う。
提出にあたりブッカー議員は「この国では奴隷制度以来、何世代にも渡ってアフリカ系アメリカ人を経済的に抑圧する、明らかに白人至上主義と人種差別主義によって焚きつけられた政策がとられていた」と語り、「数百万人のアメリカ人を中流階級へと押し上げた基盤となる国内政策は、体系的に黒人を排除している」と現在も社会システムに差別が存在することを主張。「人種差別、白人至上主義、暗黙の人種的偏見に正面から取り組む」法案により、「優れた精神の持ち主を束ね、問題を研究し、最終的に過去の損害に対する経済的な償いの開始という解決策を提案する」と語った。
奴隷制と差別に対する補償は、民主党予備選の焦点の一つとして注目されている。コーリー・ブッカー上院議員、カマラ・ハリス上院議員、エリザベス・ウォーレン上院議員、ジュリアン・カストロ元住宅都市開発長官が法案の支持を表明してきたほか、先週開催されたナショナル・アクション・ネットワークの年次大会では、これまで名言を避けていたバーニー・サンダース上院議員やベト・オルーク元下院議員も、大統領に選出された場合、法案に署名する意向を表明した。