米ディズニーは10日に開催した投資家向けのイベントで、動画ストリーミングのサブスクリプションサービス「Disney+」の詳細を明らかにした。
サービスは米国で11月12日にスタートし、価格は月額6.99ドル、年間契約の場合は69.99ドルに設定。業界を牽引するネットフリックスのスタンダードプラン12.99ドルを大きく下回る値段で、ディズニー作品をはじめ、ピクサー、スターウォーズ、さらに21世紀フォックスの買収により獲得したマーベルやナショナルジオグラフィック、シンプソンズシリーズを配信する。
作品はダウンロード可能で、オフラインで視聴することができる。
サービスは米国からスタートするが、今後2年以内に、ほぼすべての主要な地域に展開を予定。2024年までに6,000万件から9,000万件の契約数を予想し、3分の2は米国以外の国となるだろうと発表している。
初年度には、アベンジャーズやトイ・ストーリーのスピンオフ作品を含む10本のオリジナル映画と25本のオリジナルシリーズをリリースする。現在ある7,500本のテレビエピソードと500本の映画に加えて、30シーズン分のシンプソンズを開始初日から配信するとし、さらに最初の一年間で「サウンド・オブ・ミュージック」や「プリンセス・ブライド」「マルコム in the Middle」などの家族向けフォックス作品も配信する。
CNBCによると、2020年には、同プラットフォーム向けオリジナルコンテンツに10億ドルを投資し、2024年までには20億ドルを費やす計画だという。
今後劇場公開される映画については、劇場の公開終了後すぐにDisney+で視聴可能とする。アナと雪の女王2は2020年夏までにプラットフォームでの配信が可能になるという。
この日のイベントでは、ESPN PlusやHulu、すでに月間300万人ユーザーを抱えるインドのHotsterなど、その他の配信サービスをセットにしたサービスの提供についても可能性が語られたという。ディズニーはHuluの60%の株式を所有している。しかし、Huluの残り40%の株式はコムキャスト(30%)とワーナー(10%)が所有しており、バンドルの実現性を疑問視する声も聞かれる。
同日、ボブ・アイガー最高経営責任者はCNBCのインタビューに「ネットフリックスはブランド価値やネームバリューの構築、多くの人々にすばらしい価値を提供する製品といった面でよくやっていると思うが、彼らはブランドの構築途上」だと語った。ディズニーに関しては「世界中の膨大な数の人々が我々のブランドを知っており、毎日のようにブランドに触れ、買い物をしている」とし、既存のブランド力や顧客との関係性で、優勢に立てることを強調した。