ニューヨークのグリニッジビレッジに8日オープンした、ファストカジュアルの中華料理レストラン「ラッキー・リーズ」(Lucky Lee’s)のプロモーションを巡り、非難が殺到。オーナー兼シェフのアリエル・ハスペル(Arielle Haspel)氏は謝罪を表明した。
ハスペル氏は、栄養士のライフスタイル専門家で、ファッション誌GlamourのYouTubeチャンネルで自身の番組「TreatYourself」を持つ。
ハスペル氏はオープン後、店の公式インスタグラムに、自らのレストランについて「翌日むくんだり、不快感を感じさせない」健康的な食材を使用した「クリーン」な中華レストランとPRを行っていた。
この投稿に対し、中華料理店をステレオタイプ化した不適切な表現だと非難が殺到した。ツイッターには「アメリカンチャイニーズフードは、中国移民が生きていくのに、食文化を同化せざるを得なかった時代の慣習だ。彼女が非難する食べ物は、排斥と奮闘の産物である。」という意見も寄せられている。ブルックリンで餃子店「East Wind Snack Shop」を営むクリス・チャン(Chris Cheung)氏は、中国人にとって敏感な問題とし、「中華料理を不健康でクリーンではないイメージと関連付ける、彼女のマーケティングは、多くの中華料理店のオーナーが、何年も挑んできたステレオタイプであり、実に侮辱的だ。」とニューヨークタイムズに語っている。
BBCによると、批判の中には、白人が中華料理店を経営することへの疑問も寄せられていた。これに対し、人種だけを理由に非難している「オンラインのスラックティビズム」とレストランを擁護する声も上がっている。
口コミサイトYelpのコメント欄にも、非難の声が寄せられ、現在コメントの投稿が停止されている。
ハスペル氏は謝罪
非難に対し、ハスペル氏は9日インスタグラムに弁明を投稿した。「クリーン」というのは、同店の調理技法に関するものだとし、その他の中華料理店に対する意見を意図したものではないとしている。また「リー」という店名に関しては、夫の名前から名付けられたと述べた。夫婦はともにニューヨーク生まれのユダヤ系アメリカ人で、ベーグルやパストラミサンドと同様、中華料理は幼少期から馴染みのある料理だったと述べている。さらにニューヨークは「種のるつぼであり、ラッキーリーは2つの文化が融合した一つの例だ。」と述べた。
ハスペル氏は自身のブログや番組内で、クリーンな食事に関して、キャノーラ油の代わりに、オリーブ油を使い、添加物を避け、オーガニックやグルテンフリーを摂取することを提案している。
さらにハスペル氏は12日、ニューヨークタイムズで「中国人コミュニティに対抗し何かをする意図は決してなかった。」と謝罪した。
店内やメニューは
店内は明るく解放的な雰囲気で、座席はゆったりめ。土曜の午後には多くの人が訪れていた。
メニューは、セサミチキンやビーフ&ブロッコリー、クンパオシュリンプ、ダンプリングなどお馴染みのメニューが揃う。
材料には、グルテン、乳製品、小麦粉、コーン、ピーナッツ、カシュー、ピスタチオなどは含まれない。精製された糖、化学調味料、着色料不使用で、GMO(遺伝子組み換え)製品ではない油を使用している。
価格は、ライス、野菜、メインのコンビネーションが11〜15ドル。ビーガンメニューも提供する。
Lucky Lee’s
住所:67 University Place between, 10th/11th Street, New York, NY 10003
www.luckyleesnyc.com