スタンフォード大学医科大学院の最新の研究によると、医療用マリファナの合法化とオピオイド過剰摂取による死亡率の減少には関係が見られなかった。
マリファナ合法化を支持する議員や推進団体の多くは、2014年のペンシルベニア大学の研究を根拠に、医療用マリファナの合法化がオピオイド中毒の減少につながると主張してきた。ペンシルベニア大学は1999年から2010年のオピオイド過剰摂取による死亡率を調査し、医療用マリファナを合法化している州では、オピオイドに関係する死亡が年平均で25%低いという結果を報告している。研究当時、医療用マリファナが合法化されているのは13州だったが、現在は47州まで合法化が進んでいる。
スタフォード大のキース・ハンフリーズ(Keith Humphreys)教授は結果について「ディスペンサリーを多く開設することでオピオイドの死亡を減少できると考えるならば、がっかりするだろう。カナビスは人を殺さないが、人々の命を救うこともないと考えている」と語った。
発表によると、スタンフォード大学の研究範囲は1999年から2017年で、ペンシルベニア大学と同様の方法を採用した。研究者らは2014年の研究の正当性を認める一方、より多くの州で合法化が進んだ2017年まで範囲を拡大した場合、医療用マリファナが合法化されている州では、オピオイドの過剰摂取による死亡率が反対に高まる結果となった。
スタンフォード大学は2014年の研究について「(支持者は)マリファナへのアクセスを与えることで、人々が鎮痛やレクリエーションのために、オピオイドではなくマリファナを使用すると解釈した」と述べた。また、スタンフォード大学の研究では「より規制の厳しい医療用マリファナの法律を施行している州と嗜好用マリファナを許可している州を比較した場合、オピオイドの死亡率と規制レベルの間に相関関係はなかった」とし、法制度の違いによる影響も否定。「米国の人口の2.5%しか医療用マリファナを使用していないことを考慮すると、その使用が死亡率の統計に影響を与える可能性は低い」と述べている。
ハンフリーズ氏は、2014年の結果はカナビスとは関係なく、医療用マリファナ合法化に早く取り組んだ州の政策や状況を反映したものだろうと見解を述べた。これらの州は豊かで、リベラルであり、中毒治療や過剰摂取の救命材へのアクセスがより容易な傾向があったとしている。また、早期合法化の州では薬物使用による受刑者がより少なかったと指摘。収監中、ドラッグを摂取することができず、耐性が失われるが、釈放後に服役前と同様のレベルを使用するだろうと述べ、刑事司法の問題を示唆した。