ニューヨーク公共図書館(NYPL)で、ストーンウォールの反乱(Stonewall Riots)から50周年を記念した特別展示「ラブ&レジスタンス:ストーンウォール50」(Love & Resistance: Stonewall 50)がスタートした。
LGBTQの人権活動はストーンウォール以前から行われていたが、1969年6月28日に、ニューヨーク市警察がゲイバー「ストーンウォール・イン」に踏み込み捜査を行ったことがきっかけで、社会を動かす活動へと全米に発展していった。
Love & Resistance: Stonewall 50
3階スペースでは、フォトフラファー、ケイ・トビン・ラフーゼン(Kay Tobin Lahusen)とダイアナ・ディヴィス(Diana Davies)の写真やコミュニティ誌、フライヤーなどを元に、LGBTQコミュニティーやアクティビストらによる活動の歴史やカルチャーを振り返る。入場料は無料。期間7月13日まで。
ニューヨーク市は1960年代、ゲイの人々にアルコール類を提供したバーから、リカー・ライセンス(酒類取り扱い免許)を剥奪していた。
1955年にNYで最初に設立されたゲイの人権活動団体マタシン・ソサエティー(Mattachine society)は、ライセンスの剥奪は差別だとして1966年にバー、Juliusで酒を飲むシップ・イン(Sip-In)で抗議活動を行った。
マタシン・ソサエティーなどの団体は、ダンスやスポーツなどゲイの人々が交流できる場を提供し、変革を求める人々のパワーを集結させた。下は、ダンス集会開催のためのアンケート。
ストーンウォールの反乱後、「ゲイ・レズビアン・フロント」(Gay Liberation Front、GLF)や、「ゲイ・アクティビスト同盟」(Gay Activists Alliance、GAA)などが発足。コミュニティスペースでは、政治活動の他、資金集めのダンスパーティなどを開催していた。
GAAなどが使用したコミュニティセンターは、LGBTQの人権運動に重要な役割を果たしたとして今月、ニューヨーク市歴史建造物保存委員会によってランドマークに指定された。
警察の強制捜査への抗議活動を呼びかけるGAAの書面。
トランスジェンダーのアクティビストとして、ストーンウォールの反乱を指揮したマーシャ・P・ジョンソン(Marsha P. Johnson)さんと、シルビア・リベラ(Sylvia Rivera)らの写真。2人は今年モニュメントがグリニッジ・ヴィレッジに建設されることが決定した。
ストーンウォールの反乱から1年後の1970年、フィラデルフィアの「東海岸同性愛者団体」(East Coast Homophile Organization、ECHO)が「クリストファー・ストリート・リベラシオン・デー」(Christopher Street Liberation Day)をニューヨークで開催。
元々は独立記念日を祝福するイベントとして1965年から開催されていたが、マタシン・ソサエティーのベテラン活動家、クレイグ・ロックウェル(Craig Rodwell)氏の主導により、場所をニューヨークに移し、初のプライドパレードが開催された。ロックウェル氏は1967年、グリニッジ・ヴィレッジにオスカー・ワイルド記念書店(Oscar Wilde Memorial Bookshop)を開設した人物としても知られる。
The New York Public Library
「Love & Resistance: Stonewall 50」
NYPLの分館では6月30日までの間、トークショーや映画上映など様々なイベントが開催されている。30日のプライドパレードにはNYPLも参加する。写真はfacebook上でもシェアされている。
住所:476 5th Ave, New York, NY 10018
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(written by Chie Inoue)