英ファストファッションブランド「トップショップ」(Topshop)が、米国にある全11店舗を29日までに閉鎖することが分かった。NBCニューヨークが報じた。
現在、ニューヨークの5番街やSoHoほか、シカゴ、ロサンゼルス、アトランタ、ラスベガス、サンディエゴ、マイアミなどに展開している。
破産法の適用申請と役員の#MeTooスキャンダル
「トップショップ」や「トップマン」(Topman)の親会社、英アルカディア・グループ(Arcadia Group)は5月、米裁判所に米国連邦破産法第15章(Chapter 15)の適用申請を行い、民事再生手続の承認の申し立てを行った。イアン・グラビナー(Ian Grabiner)最高経営責任者は「消費者の購買習慣の変化と、かつてないほどのオンラインの競合他社の台頭によるもの」と声明で申請理由を述べていた。その後、申し立ては承認され、現在再建中となっている。
2018年には、同社のフィリップ・グリーン(Philip Green)会長に、5人の女性に対するセクハラ疑惑が浮上し、社を解雇された。グリーン氏は今月、アリゾナ州トゥーソン(Tucson)の高級ホテルで、ピラティス・インストラクターのKatie Surridgeさんに対して、性的に不適切な行為を行ったとして、起訴されている。
米国の実店舗は閉鎖するが、自社ECサイトとノードストローム(Nordstrom)を通じたオンライン販売は継続する。
去年を上回る店舗閉鎖数
Amazonをはじめとするオンライン企業や、TJ Maxxやロス・ストアーズ(Ross Stores)といったオフ・プライスチェーンの台頭などにより、カジュアル衣料店は苦戦を強いられている。
5月には、婦人服小売チェーンのドレスバーン(Dressbarn)が事業終了を発表。650店舗の閉鎖計画を明らかにした。
コアサイト・リサーチ(Coresight Research)によると、2019年だけで5,994店舗が閉鎖される予定だという。これらには、ペイレス・シューソースやシャーロット・ルッセ、ビクトリアズ・シークレット、ギャップなどが含まれており、昨年の5,864店舗を上回ることが予測されている。