米バーニーズニューヨーク破産申請検討か。テナント料高騰への対応として

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米高級百貨店バーニーズ・ニューヨーク(Barneys New York)が破産申請を検討していることが明らかとなった。ロイターが報じた。

事情を知る人物によると、カークランド&エリス(Kirkland & Ellis)法律事務所が、法的整理の準備を検討しているが、最終決定ではないという。
ビジネスの足かせとなっている高いテナント料に対処するため、可能な限りの解決策を模索しており、破産保護申請は選択肢の一つであることを強調している。

マディソンアベニュー旗艦店のテナント料は約2倍に

1993年にオープンしたマディソンアベニューの旗艦店は、数年にわたる家主との交渉の末、今年1月に10年間の賃貸契約を更新。テナント料金は1,600万ドル(17億6,000万ドル)から3,000万ドル(約33億円)に引き上げられた。3月には、同店を9階から半分以下の4階へと縮小を検討しているとNYポストが報じていた。

バーニーズ・ニューヨークはロイターに対し「我々にとって、常に顧客が最優先であり、彼らが求める素晴らしいサービスや商品、体験を提供することを約束する。」と述べ、経営陣は「バランスシート強化し、事業を持続可能かつ、長期的成長を確実にするため現時点の機会評価を行っている。」と声明で明かした。

1923年創業のバーニーズニューヨーク

Barneys New York
2016年に開業したチェルシー旗艦店©mashupNY

1923年チェルシーで創業したバーニーズは、米国の百貨店で初めてジョルジオ・アルマーニ(Georgio Armani)のフルラインを販売し、高級メンズウェアのイメージで有名となった。
現在カリフォルニア州やフロリダ州、イリノイ州など米国に20店舗以上を展開する。またフランチャイズ契約により、日本で6店舗を展開する。

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バーニーズは1996年に初めて破産法11条による更生申請を行い、複数店舗を閉鎖した。その後、2012年ペリー・キャピタル(Perry Capital)の資金援助により債務は圧縮された。
2016年には、創業の地チェルシーに旗艦店を開業。最近は、ロサンゼルスのビバリーヒルズ店内に高級マリファナ店をオープンするなど新たな事業展開を行っている。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。