8日より、ニューヨークのブルックリンにあるネイビーヤード(Navy Yard)内で民間車両としてはニューヨーク初となる自動運転車(self-driving car)の走行がスタートした。
乗り場&走行区間は?
自動運転車の乗り場は、5月に開通したNYCフェリーのアストリア航路「ネイビーヤード」の船着場を降りてすぐの場所にある。
平日は、正面ゲートのあるフラッシング・アベニューの「ヤーズ・カンバーランド・ゲート」(Yards’ Cumberland Gate)間を巡回。
週末は、船着場と「ビルディング77」(Building 77)間を巡回する。
距離は1マイル(1.6キロメートル)ほどで、片道約3分程度。時間は午前7時から午後10時30分までで、乗車料金は無料。
オプティマス・ライド社が開発・運営
自動運転車は、マサチューセッツ工科大学(MIT)の卒業生らが2015年に創業した「オプティマス・ライド」(Optimus Ride)社が開発及び運営を行う。2017年にニューヨーク州の自動車管理局(DMV)より許可を得て、ネイビーヤード内での走行が可能となった。
乗り心地は?
車両の定員数は6名で、当面はセーフティ・ドライバーとソフトウエア・オペレーターが前方座席に乗車する。
オプティマス・ライドの共同創始者、ライアン・チン(Ryan Chin)最高経営責任者(CEO)は2020年までに完全な無人走行に移行する計画を発表している。
電気自動車の前後3カ所に「LiDAR」センサーが搭載されており、道路を横断する人や、一時停止のサイン、車などの障害物を認識し、スムーズにハンドルを切ったり、速度を落としたりと、自然な乗り心地だ。ネイビーヤード内での速度は、時速15マイル(24キロメートル)に設定されている。
THE VERGEによると、現在オプティマス・ライドのようなスタートアップ企業により、限定エリアでの自動運転車シャトルサービスが増加しているという。カリフォルニア州やフロリダ州で引退した人々が集うコミュニティを走行するVoyageや、テキサス州の Drive.aiなどが例に挙げられている。
開発が進むネイビーヤード
ブルックリンの北西に位置するネイビーヤードは、1801年に完成し、1960年代まで海軍の造船所として使用されていた。
1966年以降は、市の管理のもと、工業団地や複合商業施設として開発が進められてきた。
現在敷地では、約400社がオフィスを構え、約1万人が働いている。今年秋に、フェリー乗り場付近の「ドック72」に6万2700平方メートルのビルが完成し、シェアオフィスのウィーワーク(WeWork)がメインテナントとして入居する。発表では、2021年までにネイビーヤードで働く人々は、2万人へと増加する。
「ビルディング77」には、ジューイッシュデリの「ラス&ドーターズ」や、クイーンズのクイーンズのブリュワリー「トランスミッター・ブリューイング」(Transmitter Brewing)がオープンし、いずれも工場を構える。
このほか、制作会社スタイナー・スタジオ(Steiner Studios)による撮影スタジオ設立や、10月末には市内初となるウェグマンズ(Wegmans Food Market)食料品店などの開業が予定されている。