トランプ大統領 給与税・キャピタルゲイン減税を検討か

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トランプ大統領は20日の記者会見で、給与税の減税とキャピタルゲイン税にインフレ指標を関連づける制度について、検討の可能性を示唆した。

「給与税とキャピタルゲイン・タックスについては常に考えてる。」と述べ、「多くの人々」が給与税減税を望んでいて、「われわれの国の労働者に非常に大きな影響を与えるものだ」と語った。

続けて「リセッションからはるかに遠い」と述べ、減税が景気後退の懸念によるものではないことを強調した。また「リセッションという言葉はふさわしくない。ある特定の人々とメディアが売り込もうとしている。なぜなら、彼らはリセッションを期待しているからだ。」とメディア批判を展開した。

一方で「FEDがきちんと仕事するならば、とてつもない景気刺激となる。FEDは心理的にとても重要だ。」と、中央銀行対する追加利下げの期待を語った。

給与税は、ソーシャルセキュリティ税やメディケア税など社会保障制度の資金に充てられる。現在、ソーシャルセキュリティ税は12.4%(雇用主6.2%、従業員6.2%)、高齢者の医療保険であるメディケア税は2.9%(雇用主1.45%、従業員1.45%)となっている。

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オバマ政権時代にも給与税の減税が実施されている。この際、従業員サイドのソーシャルセキュリティー税は2%引き下げられ、4.2%に設定された。

追加減税は景気刺激として機能する一方、昨年1月に発効した10年で1.5兆ドル規模の大型減税とともに米国の財政赤字を増大させる大きな要因となる。大統領府行政管理予算局は今年の会計年度の財政赤字が1兆ドルを突破すると試算している。

トランプ大統領は2016年の選挙戦の際、2年目の任期が終了するまでに財政赤字を縮小させると発表していた。