2020年大統領選で民主党の候補者指名獲得を目指すバーニー・サンダース上院議員は21日、大統領就任の1期目で労働組合員数を2倍にするとして、組合の強化に向けた計画「ワークプレイス・デモクラシー・プラン」を発表した。
サンダース氏は声明で「組織率の低下が格差拡大を加速させている」と述べ、「アメリカの中流階級を強くするために、サンダース政権では、よりよい給与と条件を求めて交渉する労働者の権利を取り戻す。」と語った。
発表によると、労働者が組合の結成に関心を示すと、75%の私企業の雇用主が外部コンサルタントを通じて反組合キャンペーンを行なうという。また組合化の運動をする従業員が解雇される確率は5人に1人であるほか、労働者が組合を結成することを選択する場合、60%の雇用主が事業の閉鎖や移転をほのめかすなど、組合組成には「巨大な障壁」があると、サンダース氏は主張。組合化を投票で勝ち取ったとしても、投票を行なった半数以上の従業員が一年後も労使協約を得ていないという。
サンダース氏は計画で、無記名投票ではなく、過半数の従業員の署名によって組合の結成を可能とすることや、28州で制定されている通称「労働権法」の廃止など十数項目を発表した。労働憲法を採用する州では、従業員は組合への加入を強制されず、非加入を選択すると、組合が交渉を行う場合でも、組合費を支払わずに済む。
このほか、産業横断的に賃金や保障、労働時間などの団体交渉を行うシステムの構築や、時給15ドルまたはCEOの賃金が従業員の平均賃金の150倍を上回る企業に対する政府との業務契約の禁止を掲げた。
また、従業員を独立した請負事業者として誤った分類にすることや、スーパーバイザーと誤った呼称を与えて超過時間を拒否することを禁止することなど、増加するギグエコノミーへの対策も計画に盛り込まれた。
サンダース議員は5月、ウーバーやリフトのドライバーは独立政府業者ではないと述べるなど、ギグ・エコノミーの労働者の保護を呼びかけている。