28日、ニューヨーク州でマリファナ所持に関する非犯罪化の範囲を拡大し、過去の一定の犯罪歴について抹消する法律が施行された。
先月30日に成立した法律では、州の刑法などの一部を改定し、公共の場所における所持について、罰金のみで処罰するものと変更された。
また罰金の上限を変更し、1オンス以下の所持は50ドル、1-2オンスは200ドル以内と定めた。
さらに、過去の一定の犯罪歴について抹消することが定められたほか、マリファナを公衆衛生法の喫煙に加え、たばこの喫煙が禁止されている場所でのマリファナの使用を禁じることとなった。
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ(Andrew M. Cuomo)知事は法律に成立にあたり「有色人種のコミュニティは、マリファナを管理する法律により、長きにわたって、不当な影響を受けてきた。そして、不公平なマリファナの犯罪歴に生涯苦しめられている。」と述べた。
NY市では1万人以上の犯罪歴を抹消
州の犯罪司法局によると、法律の施行により、ニューヨーク市では10,872人の犯罪歴が過去にさかのぼって抹消された。その他の地域では13,357人の犯罪歴が取り消されるという。抹消されたマリファナに関連する犯罪歴は、身元調査の際にも確認ができなくなるという。
マリファナ所持の非犯罪化の動きは、逮捕者の割合が人種間で大きく異なることから、刑事司法改革の提唱者らによって支持されてきた。
州保健局が2018年に作成した調査報告によると、人種間のマリファナの使用率は同程度だが、全米のマリファナ所持による逮捕者に占める黒人の割合は、白人の4倍に近い。2017年のニューヨークのデータでは、マリファナ所持により逮捕された者の86%は非白人だった。人種の割合は、黒人が48%、ヒスパニックが38%、白人は9%だった。
なお、ニューヨーク州における嗜好用大麻の合法化については、税収の使い道などを巡って議員との合意にいたらず、今年度の予算に含めることを断念している。