2020年米大統領選 エリザベス・ウォーレン議員がNYで集会 政治腐敗の撲滅訴え

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17日、2020年米大統領選の民主党の指名獲得を目指すエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員は、ニューヨークのワシントン・スクエア・パーク(Washington Square Park)で選挙演説を行った。ニューヨーク大学のキャンパスからほど近く、初代大統領ジョージ・ワシントンの就任100周年を記念して建設された巨大な凱旋門で知られる公園一帯は、バイデン前副大統領やサンダース上院議員と並ぶトップ候補の応援に駆けつけた人々で埋め尽くされた。

ウォーレン議員は冒頭「私たちは、有名なアーチや有名な男性のために今日ここに集まったわけではない。私たちは、勤勉に働く女性のためにいるのだ」と公園を演説の地に選んだ理由を述べつつ、公園に隣接する建物で146名の命を奪った1911年の火災、トライアングル・シャツウェスト工場火災について言及した。火災は米国の最大規模の産業事故として知られる。死亡者の大半は女性労働者で、ビルから逃げられず、建物内側のほか、多くの人々が飛び降りて命を失った。最年少の死者は14歳の少女だった。従業員たちが閉じ込められたのは、従業員による盗みを恐れた経営者が非常階段のドアをロックしていたためだった。

ウォーレン議員は事故について、「史上最悪だが、驚くべきではなかったのだ」と発言。事故以前から街中の女性工場労働者は危険な労働環境について警鐘をならし、改善を求めて抗議活動を行ったが、事業主たちが献金などを通じて政治家に働きかけて阻止したため「何も変わらなかった」と語った。

「ビジネスオーナーはより富を蓄え、政治家の権力は増大し、労働者が代償を払う。おなじみの話ではないのか」と問いかけると、公園中に大きな歓声が響きわたった。

ウォーレン議員はこの日、ブログを通じて、ウォーターゲート以来最大と称する「ワシントンの腐敗を根絶する」プランを公約として発表した。

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一連のプランでウォーレン氏は、行政府の利害相反を避けるため、大統領と副大統領に自らの事業の無条件の売却を求めることや、政府高官に一部の私有資産の売却を強制するといった規制を提案。さらにロビイストが政府の職につくことや、政治家や連邦判事が一生涯ロビイストになることを禁じるといった内容のほか、司法府について、連邦判事に対する複数の倫理規制を提案した。

ウォーレン議員は演説で、「巨大企業が政府を買収している。アメリカ人が急激な温暖化により洪水と山火事で殺されている。巨大な石油企業が政府を買収しているからだ。アメリカ人が路上や学校、店で信じられない速度で殺されている。銃産業が政府を買収しているからだ。アメリカ人が処方薬や治療代が支払えずに死んでいる。保険会社と製薬会社が政府を買収しているからだ」と語り、「政府が金持ちとコネのある人々のために機能し、その他の人々の役にたたないのならば、これこそが単純明快な腐敗であり、それゆえに我々は非難しなければならない。」と、改革の必要性を訴えた。

演説の後、ウォーレン議員は午後11時半すぎまで支持者との写真撮影に応じた。

ウォーレン陣営は、演説には約2万人がワシントンスクエアパークに集まったと発表。一方、ポリティコによると、トランプ大統領は、エアフォースワンに乗りこむ際、記者に向かって、その群衆の数は誤っていると述べた。根拠については語らなかったという。

Elizabeth Warren
©mashupNY

なお、市の公園局によると、イベントを行うのに許可されている人数は1万人が上限だとしている。

ニューヨークタイムズによると、2016年の大統領選では、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員が予備選で集会を行っており、2万7,000人の観衆が詰め掛けたという。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。