5日未明、マンハッタンのチャイナタウンで、路上で眠っていた4人のホームレスが、金属棒で殴り殺される事件が起きた。ニューヨーク市警察は、現場付近にいた24歳の男性を拘束した。
当局の発表によると、容疑者は土曜午前2時前、チャタム・スクエア(Chatham Square)付近の3箇所の歩道で眠っていたホームレスを、約90センチのさびた鉄の棒で次々と殴打。殴られた5人のうち4人が死亡し、1人は重体となっている。
血のついた棒を持った男性は、マルベリーストリートとキャナルストリート付近で抵抗することなく警察官に拘束されたという。
マンハッタン南部地区のマイケル・バルダサーノ(Michael Baldassano)主任警察官は動機に関し、「現時点では、ただの無差別攻撃のようだ。」と発表。人種や年齢など特定の人物を対象とした犯行ではないと述べた。
当局によると、容疑者自身もホームレスだという。ニューヨークタイムズによると容疑者の名は、ルディー・ロドリゲス・サントス(Rudy Rodriguez Santos)。
犯行の様子を捉えた監視カメラを見たサントス容疑者は、自分自身であると認めたが、殺害については否定している。攻撃の理由については、回答を拒み弁護士をつけるよう要求しているという。
NYポストによると、容疑者は過去に14回逮捕歴があり、5月にブルックリンのホームレスシェルターで暴行容疑で逮捕されている。
ニューヨーク市のビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は事件を受け、「コミュニティの中で攻撃を受けやすい人々への暴力行為に、ショックを受け、恐怖を感じた。」と述べ、犠牲者とその家族らに弔意を表した。
ホームレス支援団体のボワリー・ミッション(Bowery Mission)によると、人口850万人のニューヨーク市では、121人に1人がホームレスだという。市のシェルターに約6万3,000人以上が滞在しており、約4,000人が公園や地下鉄などで路上生活を行っている。ホームレスの数は10年間で43%増加している。