米大手劇場チェーンのAMCエンターテイメントは、新たにオンデマンドのビデオサービスを15日から米国で開始する。ニューヨークタイムズが報じた。
サービス名は「AMC Theaters On Demand」で、劇場上映を終了した約2,000タイトルをレンタルまたは販売する。アマゾンやiTunesのようなサービスになるという。
ディズ二ー、ワーナー、ユニバーサル、ソニー、パラマウントのハリウッドのトップスタジオ5社と作品提供の契約を結んでおり、価格帯はレンタルで3ドルから5.99ドル、購入の場合は9.99ドルから19.99ドルを予定。
同紙に対し、ワーナーのホームエンターテイメント部門トップのロン・サンダース氏は「我々にとっては良いことづくめ」と述べ、「大手デジタルパートナーの多くは音楽や本など複数カテゴリーに焦点を当てているが、AMCがすばらしいのは、映画にすべてフォーカスしているところ」とメリットを語る。
複数の劇場チェーンがすでに同様のサービスを展開しているが、メジャーな劇場としてはAMCが米国で初めて。サービス構築は2年以上前から取り組んでおり、今年夏に導入に間近となったが、テクノロジーとストアデザインの調整のためリリースを控えたという。
AMCはAMC Stubsと呼ぶ一般的な会員プログラムで2,000万世帯をカバーしているといい、アダム・アーロン最高経営責任者は会員のデータベースにより、ダウンロードサービスにおいてマーケティング上優位に立てると述べる。AMCではこのほか、ムービーバス(今年9月にサービスを終了)の対抗サービスとして、劇場映画のサブスクリプションサービス「Stubs A-List」を2018年に導入。月間20ドル前後で毎週3本の映画を鑑賞できるサービスは、当初の予想を超え、一年間で約90万人の利用者を獲得している。