米バーニーズ・ニューヨーク ABGが買収に前進

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ジューシー・クチュールやナイン・ウエストなど50のブランドマネジメント事業を展開するオーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group、以下ABG)は24日、8月に連邦破産法第11条の適用を申請した老舗高級百貨店、バーニーズ・ニューヨークの知的財産の買収で”落札者として浮上した”と発表した。

同社のジェイミー・ソルター(Jamie Salter)最高経営責任者は声明で「われわれのオファーをバーニーズが受け入れたことに興奮している」と述べ、続けて「バーニーズは高級ライフスタイルにおいて、最も知られた、アイコニックな名前。われわれは、世界中に現在ある市場や新たな市場に、ブランドの権利を拡張するすばらしい機会を期待している。同時に、傑出した高級小売のサックス・フィフスと手を組み、革新とファッションの権威を産業にもたらし続けることを楽しみにしている」と語った。

ABGは先日、買収に成功した場合、全店舗閉鎖の可能性や、米大手百貨店サックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)内にバーニーズのポップアップ店を展開する計画が報じられていた。

同社は同時に、バーニーズの知的財産の買収後、サックスがアメリカとカナダの小売パートナーとなると表明。日本にある12店舗について、セブン&アイ・ホールディングスのライセンス契約を維持し、営業を続けると発表した。

一方、買収の最終的な承認は、ニューヨーク南部地区破産裁判所が行う10月31日のヒアリングの対象であると加え、取引は11月1日までに完了すると述べた。

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バーニーズの買収を巡っては、先日、「キース」(Kith)の共同創始者で、トレードショーを運営する企業を所有するサム・ベン・アブラハム(Sam Ben-Avraham)氏が、投資家を募り入札に参加する姿勢を示していた。同氏は専用キャンペーンページ「save the barneys」を通じて、店舗や雇用を維持する意向を表明している。

ニューヨークポストは24日、アブラハム氏が2億6000万ドルで入札をしたが、ABGの2億7140万ドルに及ばなかったと報じた。

この後、一部メディアでABGの落札が断定的に報じられたが、アブラハム氏はSNSを通じてこれらをフェイク・ニュースだと否定。「入札に勝ち、バーニーズを救うために31日まで時間がある」と、諦めない意向を示している。

Mashup Reporter 編集部
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