20日、ウクライナ疑惑を巡る弾劾調査で、ソンドランド駐EU米大使が下院委員会の公聴会で証言を行なった。
ソンドランド氏は冒頭に読み上げた証言原稿で、カート・ヴォルカー米ウクライナ問題特別代表、リック・ペリーエネルギー長官とともに、トランプ氏の指示により大統領の顧問弁護士のルディ・ジュリアーニ氏とウクライナに関する取り組みをしたと語った。また両国の首脳協議の設定に際し、交換条件があったと明言。ジュリアーニ氏から、ぜレンスキー大統領が2016年大統領選介入とブリスマ社に関する調査への着手を公言することが前提となると伝えられたとし、関係者は、これが大統領の要求を反映したものであることを理解していたと証言した。
ウクライナへの軍事支援の保留に関しては、理由を一度も告げられなかったと述べつつ、ゼレンスキー大統領が調査開始の公言をするまで再開されないと考えていたと語った。
一方、冒頭声明に続くアダム・シフ委員長との質疑の中で、軍事支援に関して9月にトランプ大統領と電話で交わした内容について言及。トランプ大統領に何が望みか率直に尋ねると、大統領は機嫌の悪い様子で「何も欲しくない。何も欲しくない。交換条件は欲しくない。ゼレンスキーに正しいことをするよう伝えてくれ。と端的に答えた」と語った。
この日、トランプ氏は大きな文字が書かれたメモを持って、ホワイトハウスの外で待つ記者団の前に登場。「ソンドランド大使の公聴会に関して、一つのことがわかった。すべてはおしまいということだ」と述べ、続けてメモを見ながら、「~私は何もほしくない。これが私の言ったことだ。何もほしくない。2回言ったんだ。」とソンドランド氏の電話のくだりを大声で読み上げた。また、私はいつも「グッドムード」だ、と機嫌に関する証言も否定。一方、「彼のことはあまり知らない。多く話したことがない。でもいいやつのようだな」と、本人と距離を置く発言を行った。なお、ソンドランド氏はホテル経営者で、自身が所有する複数の会社を通じてトランプ大統領の就任式実行委員会に100万ドルを寄付している。
大きな文字が書かれた手書きのメモ。各メディアが取り上げ話題となった。