デモ集団がNYグラセンを占拠。「警察は不要!運賃も不要!」

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31日、マンハッタンのグランドセントラル・ターミナルでは、マスク姿の反警察集団が、地下鉄の取り締まりへの反対や運賃廃止を訴え、大規模な抗議活動を行った。

午後5時ごろ、プラカードを手にメインコンコースに集まった抗議集団は次第に増え、時計のあるインフォメーションブースを中心にフロア全体に広がった。参加者には若者が多く見られた。

mashupNY
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数百人に膨れあがった集団は「F― The Police」、「How do you spell racist? NYPD」(人種差別主義者ってどう書くの?NYPD)といった掛け声とともに抗議活動を開始。プラカードや横断幕には「「警察不要、運賃も不要だ!」「公共交通機関を無料にしろ」のほか、「ブラック・ライブズマター」「警察はブラックキッズに手をかけるな」「警察は大学から出て行け」「警察は地下鉄から出て行け」など、様々なメッセージが掲げられた。参加者の1人は、貧困は罪ではない。警察は貧困層を取り締まっていると語った。

一部は地下の改札に向かったが、警察に侵入を阻まれた。警察はマスクをした抗議者を強引に取り押さえ、これに集団が反発するなど、帰宅途中の通勤客であふれる建物内は混乱に包まれた。
ニューヨークポストによると少なくとも12人の逮捕者が出た。30分ほどの抗議の後、集団は駅から出て、タイムズスクエア駅に向かって行進した。

©mashupNY
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Protest NYPD
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FTP(F- The Police)と称する抗議集会は3回目で、昨年11月には、ブルックリンに集まり不正乗車に対する過剰な取り締まりへの抗議活動を実施。大勢で改札を飛び越えるなどして、50名以上が逮捕された。

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主催側は31日の抗議を前に、Decolonize This Placeというツイッターアカウントに動画を投稿。運賃廃止、地下鉄取り締まりの中止、公共交通機関へのフルアクセスなど活動の目的を述べ、参加を呼びかけていた。

ガーディアンによると、活動は、昨年10月、地下鉄車両内にいる非武装の男性を、銃を向けた大勢の警察官が取り押さえた事件をきっかけに、反警察運動として草の根的に広がっていった。同事件に関し、ニューヨーク市警察は、男性が銃を持っているという目撃証言があったと弁明している。
またMTAが不正乗車取り締まりのために500人の警察官の増員を決定したことも、反対運動の活発化に拍車をかけている。

同日、グランドセントラル以外の駅でも、落書きや、鎖を使用して緊急ドア解放して不正乗車を促す行為が行われた。ニューヨークポストによると、ブロンクスの刑事裁判所で2名の女性が「F- The Police」のサインを掲げ一時身柄を拘束された。また非接触型の運賃支払いシステム「OMNY」への落書きなども見つかっている。

グランドセントラルでは、午前中から大勢の警察官が警戒にあたった。集会を前に、テレンス・モナハンコミッショナーは、集団が「警察官への身体的攻撃を試み、破壊行為と利用客を危険にさらして混乱を起こすなど、夕方の地下鉄の交通を破壊しようとしている」と述べ、「法を犯すものは逮捕する」と強く取り締まる意向を表明していた。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。