9日、ロサンゼルスで開催された第92回アカデミー賞では、『ジョーカー』で主演を務めたホアキン・フェニックス(Joaquin Phoenix)は、主演男優賞を獲得。4度目のノミネートで初のオスカー受賞を果たした。
ホアキン・フェニックスは、受賞スピーチで時に感情的になりながら、アニマルライツやヒューマニティー、23歳の若さで亡くなったリバー・フェニックスの言葉を紹介した。
「わたしは、多くの人々が直面している悲惨な問題について考えてきました。」と述べ、「みな違う原因に挑んでいるように見えるが、それらには共通点があるように思える。ジェンダー間の不平等や人種差別、性的マイノリティーの人権、先住民の権利、アニマルライツなど、私たちは不公平との戦いについて話していると思う。」と述べた。
さらに、「私たちは、自然界から分離してしまっていると思う。私たちが罪とするのは、自己中心的な世界のものの見方、私たちが宇宙の中心という考えにある。われわれは、自然界に立ち入り、そのリソースを奪い取ってきた。」述べ、牛に強制的に人工受精を施し、その子供を引き離し、ミルクを奪ってシリアルに入れていると例を挙げた。「私たちは、個人的に変化するという考えを恐れていると思う。なぜなら、何かを犠牲にして諦めなければならないから。」と述べた。
「人間は、本来なら、独創的であり創造的であるので、私たちが愛や思いやりを、われわれの指針となる原則として用いれば、全人類と環境に役立つ変化のシステムを設計し、実行することができるだろう。」と語った。
また、「私は、これまでずっとろくでもない人間だった。時に利己的で、残酷で、一緒に仕事をしにくい人間だった。この会場にいる多くの人々が、セカンドチャンスを与えてくれたことに感謝している。」と述べ、「過去の過ちでお互いを相殺するときではなく、贖罪に向けて、ともに支援し、成長し、学び、導き合うべき時だ。それこそが最高のヒューマニティだ。」と語った。
最後に兄の故リバー・フェニックス(River Phoenix)が17歳の時に書いた詩を読み上げた。「愛でもって救いのために駆けつけよう。そうすれば、平和が訪れる。」と締め括った。
フォアキン・フェニックスは、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞、全米映画俳優組合賞(SAG)、放送映画批評家協会賞などで主演男優賞を受賞している。
ゴールデングローブ賞の授賞式では、環境問題について言及。ハリウッドスターの仲間に、言葉だけではなく、プライベートジェットを諦め、気候変動対策を実際に行動に移すべきだと呼びかけている。
フォアキン・フェニックスは、2008年『ダークナイト』でジョーカーを演じた故ヒース・レジャー(Heath Ledger)に続いて、オスカーを獲得した。