ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)監督の新作映画「ザ・フレンチ・ディスパッチ(原題)」(The French Dispatch)が公開された。
1925年創刊の雑誌「ニューヨーカー」(The New Yorker)の編集者や記事を元にしたという同作品は、フランスにある架空の都市(Ennui-Sur-Blasé)で、週刊誌の発行に携わるジャーナリストたちが登場する。アンダーソン監督は、10代からニューヨーカーの愛読者だったという。
実在の人物がヒントに
編集長のアーサー・ハウイツァー・ジュニア(Arthur Howitzer Jr.)役をビル・マーレイ(Bill Murray)が演じる。
同役は、ニューヨーカーを創設した編集者、ハロルド・ロス(Harold Ross)に着想を得た人物。
予告編では、編集部員が雑誌「ザ・フレンチ・ディスパッチ」の最終号を発行するため、過去のアーカイブから、ベスト記事を選ぶ様子が流れる。収監されたアーティストや学生の暴動、誘拐事件など過去の大事件が白黒映像でインサートされる。
なお、ビル・マーレイは、1996年公開の「アンソニーのハッピー・モーテル」(Bottle Rocket)以外全てのアンダーソン作品に出演する、なくてはならない俳優。
フードジャーナリストのローバック・ライト(Roebuck Wright)役は、ジェフリー・ライト(Jeffrey Wright)が演じる。同役は、作家で活動家のジェームズ・ボールドウィン(James Baldwin)とジャーナリスト、A・J・リーブリング(A. J. Liebling)をマッシュアップしたキャラクター。
ベニチオ・デル・トロ(Benicio del Toro)は拷問を受けたアーティスト、モーゼ・ローゼンタール(Moses Rosenthal)役として登場する。
エイドリアン・ブロディ(Adrien Brody)は、モーゼの絵画を購入するアート・ディーラー役のJulian Cadazioを演じる。
ディーラーは、実在の人物、ロード・デュヴィーン(Lord Duveen)がモデルとなった。劇作家S.N. バーマン(S. N. Behrman)は1951年、デュヴィーンに関する記事をニューヨーカーに寄稿している。
ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)は学生革命家を演じる。ジャーナリスト、マービス・マラント(Mavis Gallant)による1968年の記事「The Events in May: A Paris Notebook」がベースとなった。
常連キャストのオーウェン・ウィルソン(Owen Wilson)ほか、『ムーンライズ・キングダム』に出演のフランシス・マクドーマンド(Frances McDormand)とティルダ・スウィントン(Tilda Swinton)、『グランド・ブダペスト・ホテル』に出演のシアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan)のほか、レア・セドゥ(Lea Seydoux)、エリザベス・モス(Elisabeth Moss)らが豪華キャストが出演する。