米アパレルのアン・テイラーやロフトなどを展開するアシナ・リテール・グループ(Ascena Retail Group)は23日、バージニア州リッチモンドの破産裁判所に連邦破産法11条の適用を申請した。
同社は、アン・テイラー(Ann Taylor)やロフト(Loft)、レーン・ブライアント(Lane Bryant)、ロー・アンド・グレイ(Lou & Grey)、ジャスティス(Justice)、キャサリンズ(Catherines)などを傘下に持ち、ショッピングモールやアウトレットなど米国内に約2,800店舗を展開する。従業員数は8月初旬時点で、約53,000人。
ウォールストリートジャーナルによると、再編の一環として、最大で1,600店舗を閉鎖を計画している。またカナダやプエルトリコ、メキシコにある店舗は全て閉鎖する。
プラスサイズブランドのキャサリンズは全264店舗の閉鎖を計画。同ブランドの知的財産やeコマースは、当て馬入札を行ったシティ・シック・コレクティブ・リミテッド(City Chic Collective Limited)に売却を予定している。ジャスティスも、ほぼ全ての店舗を閉鎖する予定。
同社は、サイモンプロパティグループやブルックフィールドプロパティなど10万件以上の債権者に対し、100億ドルから500億ドルの負債額がある。債権者らと負債を10億ドル削減することで合意しており、再建中の運転資金として、1億5,000万ドルの資金を確保している。
レント・ザ・ランウェイ(Rent the Runway)や、スティッチ・フィックス(Stitch Fix)など新たなサブスクリプションサービスなどの台頭で、厳しい経営環境が続いていたところ、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけたとCNBCは報じた。
アセナは昨年、カジュアル衣料のドレスバーン(Dressbarn)の事業を終了しており、全米の600店を閉鎖している。
米国では3月のパンデミック以降、老舗百貨店ニーマン・マーカスや、J.クルー・グループ、老舗百貨店JCペニー、ブルックス・ブラザーズなどの大手小売が連邦破産法第11条の適用を申請している。