ニューヨーク州のクオモ知事は9日の会見で、今月30日より市内のレストランについて、店内飲食を許可すると発表した。
許可にあたり、客数を通常の25%に制限するほか、入店時の体温測定や、離席中のマスク着用、ソーシャル・ディスタンスの遵守、グループにつき1人の連絡先の提出などを求める。バーでのアルコール類の提供は禁止する。各テーブルは2メートルの距離を置くほか、エアコンのフォルターや営業時間(深夜まで)についても規則を定めた。
全てのレストランは、店内のキャパシティや連絡先について規則を取り締まるタスクフォースに報告する必要がある。
規則に違反した店があった場合、住民に匿名でタスクフォースにテキスト(text VIOLATION to 855-904-5036)もしくは電話(833-208-4160)で報告することを求めた。
現在、州酒類管理局が飲食店でのソーシャル・ディスタンス違反の取り締まりを実施しているが、市から追加で400人の監視指導官を派遣すると発表した。
クオモ氏は「ニューヨーカーを信じている」と述べつつ「感染率が上昇した場合は、すぐに緊急ボタンを押す」と状況に応じて再び閉鎖する可能性を示唆した。陽性率が2%になった場合、計画は見直される。11月1日を期限に、人数制限を50%に引き上げるかどうかを判断すると述べた。
クオモ氏は、新型コロナウイルスの感染が拡大した3月中旬、レストランの店内飲食の営業を禁止した。
6月下旬からスタートした経済再開の第2段階で、路上や車道の一部を使用した屋外飲食が許可された。その後も店内飲食の禁止は続いており、屋外飲食だけでは十分な売り上げが見込めないとして、レストラン業界は早期再開を強く求めていた。
9月1日時点では、クオモ氏とデブラシオ市長はともに、店内飲食はすぐに再開しない意向を示した。
約350店舗のレストランが先週、クオモ氏の行政命令は違憲だとして、州と市を相手取り、損害賠償20億ドルと行政命令の解除を求め、集団訴訟を提起していた。