ニューヨーク州議会のロバート・キャロル下院議員(ブルックリン 民主党)は、NY市の鉄道・バスの財政を支援するために、市内のオンラインショッピングの配送にサーチャージを追加する法案への支持を呼びかけている。
法案は、今年初めに州議会に提出したもので、医薬品と食品を除くオンラインショッピングの配送に、1箱当たり3ドル徴収し、MTAの運転資金に充てる。
NY市の鉄道とバス労働者の約半数を代表する全米運輸労働者組合(TWU)のジョン・サミュエル委員長も法案を支持。キャロル議員と共同で地元メディアに論説を発表した。
MTAは、パンデミック中の運賃収入と助成金の減少で生じた赤字予算を解消するため、政府に120億ドルの支援を求めている。先月、財政支援が得られない場合、鉄道とバスのサービスを40%-50%削減し、全従業員の13%に相当する9,400人近くを解雇する可能性があると警告していた。
キャロル議員によると、ニューヨーク市内では、1日当たり平均で180万パッケージが配送されており、3ドルのサーチャージを導入することで10億ドル以上の資金を捻出することができる。
キャロル議員は、サーチャージはMTAの運営や職員の雇用を助けることに加え、消費者がアマゾンやウォルマートよりも、近所のパパママストアやメイシーズなど市内小売店で買い物をする動機付けになると主張。さらに消費者やアマゾンに対して、一箱にまとめて配送することを奨励することにつながるなど、環境や渋滞改善に役立つとしている。
サーチャージの報道を受け、連邦議会のアレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議院(ニューヨーク 民主党)はツイッターで、「貧困層と労働者階級」の負担になると考えを示し、代わりに富裕層への増税を訴えた。
ネットユーザーからは、「アマゾンに課税すべきだ」「NYを去るもう一つの理由ができた」「自宅待機しろと言いながら、困窮する消費者に増税するつもりか」「MTAは何年もミスマネジメントをしてきた。彼らの無能さにお金を支払う必要はない」「役員や職員を解雇すべきだ」など反対の声が上がっている。