投票システムメーカーのドミニオン・ボーティング・システムズは、名誉毀損訴訟の専門弁護士を通じて、トランプ弁護団のルディ・ジュリアーニ氏とパット・シポローネ大統領法律顧問に、同社が大統領選で不正を働いたという主張に関連する記録を保持するよう指示した。CNNが報じた。
記事によると、名誉毀損訴訟が専門の法律事務所Clare Locke LLPのTom Clare氏と Megan Meie氏はそれぞれに宛てた書簡で、ジュリアーニ氏のドミニオン社への中傷を中止するよう要求。「ドミニオンと同社に対する中傷キャンペーンに関連するすべての資料を保持する義務がある」と伝えた。
またジュリアーニ氏に対して「これらの問題に関する訴訟は目前に迫っている」と警告したという。
トランプ大統領や弁護団、シドニー・パウエル氏らはこれまで、証拠を示さずに、投票システムによって票がバイデン氏に有利になるよう不正に操作されといった主張を繰り返している。
なお、米国土安全保障省サイバーセキュリティー・インフラストラクチャー・セキュリティー庁(CISA)は、票の改ざんや消去、不正アクセスなどがあった形跡は全くなかったと結論づけているほか、ウィリアム・バー司法長官も今月、大規模な不正行為は見つかっていないと報告している。
ドミ二オンは先週、パウエル氏に同様の書簡を送付し、「ばかげた、意図的に根拠のない、虚偽の主張」を撤回するよう要求。同時に、関連文書を保存するよう求めていた。
これとは別に、ドミニオンの製品戦略・セキュリティー担当幹部エリック・クーマー氏は今週、大統領選を巡る陰謀説で名誉を棄損されたとして、トランプ陣営とジュリアーニ氏、パウエル氏と保守派の複数のメディアを、コロラド州の連邦地裁に提訴した。
ドミニオンとともに攻撃の対象となったスマートマティックは、14日に発表した声明で、Foxニュース、ニュースマックス、ワン・アメリカ・ニュース・ネットワークは、同社に対して「組織的な偽情報キャンペーン」を行なったと非難。書簡で撤回を要求するとともに、法的措置を講じる構えを示した。
この後、Foxニュースは複数の番組で、スマートマティックに関する噂や不正の主張を否定する専門家のインタビューを放送した。
ニュースマックスは、番組とウェブサイトで、ゲストらが番組で行なった投票システム企業に関する不正の主張を、ニュースマックスは「真実として報じていない」と釈明しつつ、不正に関連する一連の主張を撤回した。