映画『ロード・オブ・ザ・リング』でフロドたちを攻撃する邪悪な生き物「オーク」。あの醜い悪役には、モデルとなった実在の人物がいることがわかった。主演のイライジャ・ウッドが、ポッドキャスト番組「アームチェア・エキスパート」で明らかにした。
番組で、映画会社のミラマックスとピーター・ジャクソン監督が、製作の方向性を巡ってトラブルに発展した話になると、イライジャ・ウッドはオークにまつわる思い出に言及。
サム役のショーン・アスティンが映画のセットでオークのマスクを見かけたと切り出し、「マスクの一つが、ワインスタインそっくりに作られていた」と暴露した。さらに「今ならこの話をバラしても大丈夫だと思う。彼はいま刑務所にいるし。クタバレって感じだ」と野次った。
ミラマックスは、長年女優たちにセクハラやレイプを繰り返していた元映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタインが兄弟と立ち上げた会社。
どのオークが、ワインスタインのモデルかは特定しなかったが、デイリーメールはローレンス・マコールが演じたオークのボス、ゴスモグ(Gothmog)ではないかと推測している。
顔半分が潰れ、目が塞がり、豚のような耳がついたゴスモグは、最終章の『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』に登場する。確かにデイリーメールの指摘は正しいのかもしれない。
なお、映画は最終的にニュー・シネマ・ラインの元で完成した。
メガホンを取ったピーター・ジャクソン監督もワインスタインについて良い印象を持っていなかったようだ。
2017年のインタビューでは、ワインスタイン兄弟を「2流マフィアのごろつき」と述べ、2人がアシュレイ・ジャッドやミラ・ソルヴィノのネガティブキャンペーンを展開したと批判。「二度と仕事したくないと思った」と語っている。
セクハラで有罪判決
ニューヨークタイムズやニューヨークマガジンは2017年、ワインスタインが30年以上にわたり性的暴行やセクハラを繰り返していたと大々的に報道し、これが権力者によるセクハラを告発する#MeTooムーブメントへと発展した。
ニューヨークで昨年行われた裁判で、2件の性犯罪で有罪判決を受け、23年の禁固刑を言い渡された。
ロサンゼルスでも5人の女性に対する11件の性的暴行事件で訴追されている。先月裁判所に出廷したワインスタインは、無罪を主張。有罪の場合、最高140年の禁固刑を命じられる可能性があるという。