ところで、J.D.バンスって本名なの?

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新米議員でありながらトランプ氏から副大統領候補の指名を受けたJ.D.バンス氏(39)。名前には複雑な背景があるようだ。

2016年に発売されベストセラーになった回顧録『ヒルビリー・エレジー』によると、バンス氏は1984年に父ドナルド・ボウマンと母ビバリー・バンスの間に生まれ、ミドルネームに父親のファーストネームをとってジェームズ・ドナルド・ボウマンと名付けられた。ドナルドはビバリーの二人目の夫だったが、二人は数年後に離婚。バンス氏は6歳でビバリーの再婚相手ボブ・ハメルの養子となり、それに伴いジェームズ・デイビッド・ハメルに改名した。

ビバリーはデイビッドの由来について、自身の叔父、デイビッドおじさんにちなんでつけたと説明したというが、バンス氏自身はドナルドでなければ、どんなDでも良かったのだろうと振り返っている。

ビバリーはボブとも破局。少年バンスはその後もハメルの姓を続けることが気がかりだったという。

「大切にしていない人と名前を共有している上に、ボブがいなければ、なぜ名前がJ.D.ハメルなのかを説明するのに、さらに気まずい瞬間を余儀なくされた」。

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生まれ故郷のオハイオ州ミドルトンの高校を卒業して海兵隊に入隊した。その後、オハイオ州立大学、イェール大学ロースクルールに進学。イェール在学中に妻ウシャ氏と出会い、2014年に結婚した。著書によると、結婚の日にバンスに改名した。

自殺、薬物中毒など問題を抱える母親に代わってバンス氏を育てたママウこと祖母のボニー・ブラントン・バンスの姓を名乗るにあたり、「私たちは二人とも名前をバンスに変えた。こうして、ついに私が属する家族と同じ名前を持つことになった」と綴っている。

AP通信によると、バンス氏のキャンペーンの報道官は、「ママウ、またはボニー・ブラントン・バンスは、JDの波乱に満ちた幼少時代を通じて、彼にとって北極星のような存在だった。彼にはバンス姓を名乗ることが正しいと感じられたのだ」と取材に答えた。

法律上の正式名は「ジェームズ・デイビッド・バンス」。J.D.ではなくJDと表記されることも多く、これについて報道官は、本人はピリオドなしを好んでいるとしている。