ハリス氏に不吉なジンクスも、トランプ氏 NY晩餐会で辛辣ジョーク

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16日、マンハッタンで開催されたカトリック教会のチャリティイベント「アルフレッド・E・スミス記念財団ディナー」に出席したトランプ元大統領は、対抗馬のカマラ・ハリス氏をはじめ、民主党議員らをからかうジョークで会場を沸かせた。

この日は両党の指導者、現職を含む歴代州知事、市長、トランプ氏と法廷で対決したレティシア・ジェームズ州司法長官、ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏、NFLチームのオーナーといった富豪など多数の著名人が出席した。

晩餐会は1960年にリチャード・ニクソン氏とジョン・F・ケネディ氏が共に出席して以来、大統領選の年には、両党の候補者が顔を合わせ、皮肉混じりのユーモアや自虐ネタを織り交ぜたスピーチを披露する慣わしとなっている。ハリス氏は今回、ウィスコンシン州での選挙集会を理由に出席を見送り、ビデオメッセージでの参加となった。

約30分におよびスピーチで、トランプ氏は最新の出来事を交えて対抗馬の欠席を揶揄。

「カマラがアル・スミスのディナーを欠席すると聞いてショックを受けたと言わざるを得ない。彼女が来てくれることを心から願っていた。彼女の美しい笑い声はいくら聞いても飽きることがないからだ。彼女はめちゃくちゃ笑う」。

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「カマラはまだ諦めていないと思う。彼女は諦めていない。今夜は出席せず、ミシガン州でグレッチェン・ホイットマーから聖体拝領を受けている。見苦しい光景だ。しかしカトリック教徒の皆さん、カマラの欠席にあまり腹を立てないでください」。(ホイットマー知事は先週、SNSに投稿された動画が聖体拝領を軽視したとして炎上。カトリック教徒からの怒りを買い、謝罪する事態に発展した)

バイデン氏の撤退もジョークに。

「もし民主党が今夜誰かさんをわれわれの傍に置きたくないと思っていたのなら、ジョー・バイデンを送り込めばよかった。彼は考え直している。みなさん、お分かりでしょう?彼は復帰したいのです。彼女の支持率が悪ければ、彼らは彼を再び呼び戻すだろう。チャック(隣に座っていたチャック・シューマー上院議員)はそうするでしょう。彼が追い出したのだ」。

「チャック・シューマー氏はここでとてもムッツリとした表情をしています。でもチャック、明るい面を見よう。あなたの党がどれだけウォークになったかを考えれば、カマラが負けても、あなたには初の女性大統領となるチャンスがある」。

ニューヨーク市長に対する起訴を絡めて自虐ネタも披露。

「召喚状が来ないときはいつでも、私はとても幸せです。彼らは私を追い詰めてきた。市長、彼らが私にしたことに比べれば、あなたのは取るに足らない。あなたは大丈夫だ。しかし、このイベントの歴史上、ジョークがファクトチェックされるのは今回が初めてだということに注意しなければならない」。

自ら冗談の行き過ぎを認めつつ・・・。

「この選挙戦の大きな争点はチャイルドケアで、カマラは計画のコンセプトを示したものの、多くの人々はそれを好んでいない。彼女が勝った場合、私が彼女にできる唯一のアドバイスは、夫のダグをナニーに近づかせないことだ。彼女らを遠ざけておくことだ。これはひどいな。この原稿を用意したバカ者どもにキツすぎると言ったのに」。(8月、ハリス氏の夫ダグ・エムホフ氏が最初の妻と婚姻中、子守と浮気し、妊娠させていたことが報じられた。)

ハリス氏にとって不吉な晩餐会の歴史を強調。

「この大切な会に出席しなかった最後の民主党議員はウォルター・モンデールで、彼にとっての結果は良いものではなかった。49州で負け、ミネソタ州で勝利した。だから私は、欠席するなど絶対に考えられないと言い張った。実際、今夜ここに来るのは簡単なことではなかった。・・・しかしこれは本当だ。ウォルター・モンデール、49対1。彼は良い結果が見込まれていたのに。うまくいかなかった」。

演説の最中、前出のシューマー院内総務や、マイケル・ブルームバーグ元市長が苦々しい表情を浮かべる様子も話題になった。

司会を務めたコメディアンのジム・ガフィガン氏も、両党に対する鋭いジョークを放った。

「この選挙は興味深いものです。民主党はトランプ氏の再選を民主主義に対する脅威だとわれわれに言いますが、実際、彼らはこの脅威を懸念するあまりにクーデターを起こし、民主的に選ばれた現職大統領を追放して、ハリス氏を大統領候補者に据えました」と発言。「メディアは隠れトランプ投票者という現象について議論しています。皆さんが聞いたことがあるか分かりませんが、公にはトランプに投票しないと言いながら、投票所に行くと投票する人たちのことです」と説明した上、「彼らはバイデン一家と呼ばれている」と述べると、会場が笑いに包まれた。

トランプ氏が大統領候補者討論会で放った「移民が猫を食べている」という主張に対し、「ネコが選挙運動の一部として話題になったのは、これが2度目だ」と副大統領候補JDバンス上院議員の「子なしキャットレディ」発言を揶揄した。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。