バイデン大統領の選挙継続に懐疑的な見方が広がる中、プログレッシブのホープ、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員(ニューヨーク・民主党)がバイデン氏の強力な支持者として名乗り出た。
コルテス議員は19日にインスタグラムに投稿した動画で、この段階になって候補者を変更する問題点を指摘。選挙90日前(8月7日)までに候補者の決定を義務付けるオハイオ州の規則に関して、期限延長が容認されるかどうかは「法的グレーゾーン」だとし、共和党は、候補者名の変更を見据えた法的闘争を準備していると語った。
「(バイデン氏を他候補に変更すれば)われわれの選挙が最高裁判所によって決定される可能性が急上昇する」。
続けて、同僚への不満をぶちまけた。
「過去数週間、たくさんの民主党議員が匿名の引用をメディアやジャーナリストに提供している。私はここでマスコミ批判をするつもりはない。同僚を批判するためにここにいる。深夜にこんな言い方をしてすまないが、”ふざけるな”だ。意見があるなら胸を張って公に言えばよい。選ばれて公職にいるってことは、本来はコミュニティに責任を持っているはず。内緒でジャーナリストにテキストして、”これが自分の考えだけど名前は伏せてね”なんて。いったい何のためにここにいるの?それがあなたの意見で、地域にとって最善だと考えるならば、名前をつけなさい!」
批判の矛先は指導部に。
「最近の上級民主党リーダーとやらの引用で、”ああ、トランプの勝利を覚悟している”というのがあるけど、それならばそこから去りなさい。去ってください。あんなのゴミ。根本的なリーダーシップが欠如している。党に関係なく、そこから去ってロビイストのために働けばよい」。
コルテス議員によると、バイデン撤退を急に騒ぎ出したのは「メディアや金持ちの寄付者、組織のリーダー」といった影響力を持つ「階級」であり、こうした人々は、バイデン氏だけでなく、ハリス副大統領も一緒に撤退することを望んでいる。
「膨大な人数の寄付者階級、膨大なエリート、こうした部屋で会う多くの人々は、バイデン大統領が候補者にならないよう働きかけているだけではなくて、副大統領が候補者になることにも関心がない」。
さらに、バイデン氏とハリス氏のコンビに集まった政治献金は他候補に流用できないと言った問題点を指摘しつつ、「私はオープン・コンベンションを支持しない。クレイジーだと思っている」と、8月の党大会で新候補を選出することに反対を表明した。
サンダース上院議員もバイデン氏を支持
プログレッシブの先輩で2020年大統領選の予備選でバイデン氏に対抗したバーニー・サンダース上院議員(バーモント・無所属)もバイデン支持の論陣を張っている。
トランプ氏の暗殺未遂事件の直後、ニューヨークタイムズに寄せたエッセイで、「今後数週間、衝撃的で悲劇的な事件から国家が回復するなかにあって、11月の選挙に非常に大きなものがかかっていることを忘れてはならない。何百万人ものアメリカ人労働者のアフォーダブルな医療へのアクセス、まともな賃金、居住可能な地球が危ぶまれている」と主張。
「バイデン氏の再選を目にするために全力を尽くすつもりだ。なぜか?特定の問題で意見は違えど、我が国の近代史上最も有能な大統領で、扇動家で病的な嘘つきのトランプ氏を倒せる最強の候補者だ。今週、深い違いにもかかわらず、過激右翼を打ち負かすために団結したフランスのプログレッシブと中道派の勢力から学ぶ時がきた」。
ワシントンポスト紙によると、サンダース氏はタイムズのエッセイが掲載される数日前、ホワイトハウスを訪問し、バイデン陣営の側近らと会合を持った。
サンダース氏は、就任後100日プランを提示して労働者階級の有権者の不満に訴えるとともに、自身の「お気に入り政策」を強調することで候補者としての立場を復活させるべきだと主張したという。
この二日後、バイデン氏はサンダース氏が会合で提案した2つのアイデア、「社会保障給付の拡大」と「医療費の負債解消」を「最初の100日間」の目標に含めることを約束した。