シリコンバレー発のシューズブランド「Allbirds(オールバーズ)」のジョーイ・ズウィリンガー(Joey Zwillinger)最高経営責任者はMediumの投稿で、アマゾンのジェフ・ベゾス最高経営責任者に、自社のサステイナブルな製品づくりを模倣するよう呼びかけた。
「Dear Mr. Bezos」と題した投稿の冒頭、ズウィリンガー氏は「最近、アマゾンでウールランナーに驚くほど類似した商品が製造・販売されているのを知りました」と、アマゾンの自社ブランド「206 COLLECTIVE」が販売するウール混スニーカーに言及。続けて、類似を「光栄だ」と述べつつ、「共通点の中に、環境に優しい素材も含まれることを希望しています」と語った。
オールバーズは2015年創業のD2Cシューズブランド。主力製品のウールランナーは、軽量のメリノウールをアッパーに使用。ソールは、化石燃料ではなくサトウキビからできる素材を利用し、靴紐はペットボトルをリサイクルして作られている。シンプルでミニマルなデザインや消費者の環境意識の高まりに加え、グーグル社の共同創設者のラリー・ペイジ氏、ツイッター社の元役員のディック・カストロ氏といったテック系のリーダーが愛用したことで話題となり、支持が拡大。昨年、マンハッタンのSoHoに旗艦店をオープンしている。
アマゾンがPBを通じてオールバーズの類似品を販売していることは、2カ月ほど前に複数メディアが報じていた。この時、ズウィリンガー氏は「アルゴリズムで生成された初の模倣品」と述べつつ、今回と同様に、環境に配慮した慣習を採用するよう呼びかけた。11月にCNNが番組で取り上げた際も、「腹立たしいのは、我々はすべての素材のソースをオープンにしている。彼らが素材とわれわれのサステイナビリティーをコピーしたければ、彼らはそうする権利がある。」と述べるなど、デザインのみを模倣して廉価版を販売する企業姿勢に苛立ちを述べた。一方、アマゾンは番組に対する声明で「消費者のトレンドに触発された製品を提供するのは、小売業に共通した慣習。206 Collectiveのウール混スニーカーはオールバーズのデザインを侵害していない」と主張。両者の論点に食い違いがみられていた。
Mediumで、ズウィリンガー氏はベゾス氏に、靴の見た目だけでなく「われわれのサステイナビリティに対するアプローチと合致するコンポーネントを提供したい」と進言。さらに「あなたのサプライチェーンにおいて、石油からできる製品が自然の代替品に置き換えるなら、われわれはともに、気候変動に対する戦いで強力な一撃を与えることができる。」と述べた。
また「消費者は地球と利益に配慮する企業を評価している。われわれは、アマゾンのような世界で最もパワフルな企業がこれらの問題をリードし、そうすることで報われると考える」とベゾス氏に変化を呼びかけた。