オンライン小売大手アマゾンが、マンハッタンに新オフィスの開設を計画していることがわかった。
ニューヨーク・デイリー・ニュースによると、同社はすでに、ハドソンヤード近くにあるオフィスビル(410 Tenth Ave)の31,000平方メートルのスペースのリース契約を締結したという。開設は2021年を予定。新オフィスにはコンシューマーチームと広告チームが入り、従業員数は1,500人以上になると同社スポークスマンは発表している。なお、ビルは20階建で、1927年に建てられたものだという。
アマゾンは昨年、クイーンズ区ロングアイランドシティーに第2本社の建設を決定したが、地元議員らの反対を理由に、今年2月に計画を撤回した。クイーズ/ブロンクス地区選出のアレキサンドリア・オカジオ・コルテス下院議員(民主党)や州および市の議員の一部は、州や市の提供する税制優遇が多額であることや、住宅コストの高騰につながるなどとして強い反対を唱えた。一方、誘致を主導したニューヨーク州のアンドリュー・クオモ州知事は、アマゾンは4万人もの高賃金の雇用と歳入をもたらす予定だったと述べ、反対活動をした議員らに対し、「失われた経済的損失についての責任を負うべきだ」と非難声明を発表。不動産業者や地元レストランのオーナーらからも、反対議員を非難する声が多く上がっていた。
今回は、税額控除や行政による助成金を受けずに新オフィスを開設するという。
新オフィスの報道を受け、オカジオ・コルテス議員はツイッターで、第2本社反対に加え、急進派として富裕層の負担増を求める政策の正当性をアピールした。
「怪しい待遇やジェフ・ベゾス氏のためのヘリパッド設置の補助金、企業への貢物を税金で賄うことを要求しなくても、アマゾンはとにかく来るじゃない。トランプ政権は、貧しい家庭ではなく、富裕層に対する公的支援の削減にフォーカスするべき」。
なお、トランプ政権は今週、低所得者に対する食料費を支援する「補助的栄養支援プログラム(フードスタンプ)」を厳格化すると発表している。
また、ソファでくつろぐ画像とともに「多額の税金をセーブし、アマゾンに関して我々が正しかったことが証明された今、へイターからの謝罪を待ってるところ」とツイート。
一方、クオモ州知事の補佐官のメリッサ・デローサ氏は、第2本社との規模の違いを指摘。比較にならないことを強調した。