俳優ジョニー・デップとの名誉毀損裁判で、損害賠償金1,040万ドル(約13億円)の支払いを命じられた元妻で女優のアンバー・ハード(36)。
2日、代理人のエリーナ・ブレッドホーフト弁護士がテレビ番組に出演し、賠償金を支払うのは「絶対に無理だ」と窮状を訴えた。敗訴の要因について、ハードに対する誹謗中傷がSNSに多数投稿され、陪審が影響を受けたためだとも主張した。
ニューヨークポスト紙によると、今回の訴訟に関する弁護士費用は、ハードの住宅所有者保険から支払われているという。ハードが加入する保険会社トラベラーズ・カンパニーズのパメラ・ジョンソン副社長が、バージニア州の裁判所に足を運ぶ姿が目撃されている。
法律専門家によると、名誉毀損裁判の訴訟費用が、住宅所有者保険が適用されることは一般的だという。ただし、別の専門家は同紙に、「意図した不正行為」に関する免責事項が定められているケースが多く、適用除外になる可能性があると指摘している。
贅沢暮らしのせい?
ある情報筋は、資金に余裕がないのは、多額の裁判費用に加え、過去に住宅や車、ブランド品の購入、旅行など贅沢な生活を送っていただめだと同紙に語った。
ハードは、2018年公開のブロックバスター映画『アクアマン』に出演したが、受け取ったギャラは100万ドル、来年公開される続編は200万ドルと伝えられている。またカリフォルニア州ユッカバレーにある邸宅は、100万ドルの価値があるとも報じられている。Celebrity Net Worthは、現在のハードの総資産額を150万ドルから250万ドルと推定している。
ハードは2016年に成立したデップとの離婚で、慰謝料700万ドルを人権擁護団体などに寄付すると発表していたが、裁判ではこれを実行していなかったことが発覚した。証言台に立ったアメリカ自由人権協会の担当者は、2018年以降ハードから支払いを受け取っていないと明かし、「経済的な困難を抱えている」ことを知ったと語っている。
ハードは、弁護士費用やその他の支払いのために、寄付が遅れていると証言。陪審に対し、支払いを続ける意思はあるとし、「彼が訴訟をやめれば、支払うことができる」と語った。なお、デップがワシントンポスト紙に掲載された論説を巡って、ハードを名誉毀損で訴えたのは2019年だった。ハードは2018年12月、ポスト紙で、デップを名指ししなかったものの、性暴行の被害者であることを告白。#MeTooでセクハラを訴えた女性への連帯を示していた。
ちなみに、賠償金を支払うことができない場合、デップは、ハードの今後の映画出演料から徴収したり、自宅などの資産を差し押さえ、売却することで、回収することも可能だという。先の専門家は、バージニア州における陪審の判決は10年間有効で、場合によっては、最大30年間延長できると語っている。