女優のアンバー・ハードは、NBCニュースの独占インタビューで、元夫ジョニー・デップとの間で争われた名誉毀損裁判に関し、ネットでの不公平な扱いが、評決を左右した可能性があると主張した。
デップは2019年、ハードが2018年にワシントンポスト紙に掲載した論説が、名誉毀損にあたるとして、5000万ドルの損害賠償を求る訴訟を提起した。ハード側はこれに反訴し、1億ドルの損害賠償を求めた。
バージニア州フェアファクス郡裁判所の陪審は今月1日、デップの主張をほぼ全面的に認め、ハードに1,035万ドル(約13.5億円)の損害賠償金の支払いを命じた。ハード側の主張も一部が認められ、陪審は、デップに200万ドル(約2.6億円)の賠償金を支払うよう命じた。
公正を欠く論調
13日に公開されたインタビューの一部によると、ハードは裁判で、デップ側の「雇われた従業員」や「どこの馬の骨とも知れない人」の証言が数週間続いたと、皮肉を交えながら説明。この間に自身が受けたネット上でのバッシングについて、「ヘイトや辛辣な言葉を受けて当然だという人々や、私が嘘をついていると思っている人であったとしても、私の目を見て、ソーシャルメディアで公正な描写があったと言うことはできないと思う」と述べるなど、公平性を欠く論調があったと指摘した。
Todayによると6月3日時点で、TikTokなどで、デップの擁護するハッシュタグ#justiceforjohnnydeppが付いた動画が200億回再生されたのに対し、ハードを支援するハッシュタグ#justiceforamberheardは、8,000万回だったという。ハードが有罪だと主張する#amberheardisguiltyは9億回以上再生された。また「アクアマン2」からハードを降板させるよう求める嘆願書には、450万件の署名が集まっていた。
ハードの代理人、エリーナ・ブレッドホーフト弁護士は2日のテレビインタビューで、敗訴の要因について、SNSにハードに対する誹謗中傷が多数投稿され、陪審が影響を受けたためだと主張。評決はバイアスによるものだとの考えを示していた。
一方、デップの弁護人は、「陪審が誓約に違反したと考える理由はない」として、ブレッドホーフト弁護士の主張を否定した。
ハードはまた「自分や、自宅に関するプライバシー、結婚生活、ドアの内側で起こったことについて、誰がどう思うのかは気にしない」と自身に対する世間の評判に、関心はないとしている。一方で、プライベートが世間にさらされることに対して「私としては我慢ならない」とも語った。ただし、陪審の評決については非難を避け、「実際に受け止めている」という。
なおブレッドホーフト弁護士は、今回の判決を不服とし、上訴する意向を明らかにしている。