爆発車から60年代ヒットソング、5G妄想?、ナッシュビル爆発事件容疑者を巡る謎

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テネシー州ナッシュビルのダウンタウンでクリスマスの早朝にキャンピングカーが爆発した事件に関し、捜査チームは27日、会見を開き、アンソニー・クイン・ワーナー(Anthony Quinn Warner)(63)を容疑者と断定したと発表した。

テネシー州中部地区の連邦検事Don Cochran氏は、「アンソニー・ワーナーが爆破犯人だ。彼は爆発の現場にいて、爆発によって死亡した」と発表した。

前日、捜査官らが、現場から10マイルほど南東にある町アンティオークにあるワーナー容疑者の家を捜索したと報じられていた。CBSニュースは、2019年に撮影されたグーグルマップの画像が、犯行に使用されたキャンピングカーと類似していると伝えていた。

会見では、キャンピングカーから採取したDNAが、ワーナー氏に関係する場所のものと一致したほか、鑑定にワーナー氏の親戚のDNAを使用したと発表している。

CBSニュースによると、捜査関係者は、ワーナー容疑者の母親から得たDNAサンプルと遺体のDNAが一致したと話しているという。

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犯行の動機や爆弾のタイプについては、調査中として回答を避けた。

同日、FBIはワーナー氏の写真を公開した。

5G妄想?

現場近くにはAT&Tの建物があり、捜査当局は、AT&Tやインフラを狙った可能性について捜査していると報じられている。

テネシー州のビル・リー知事(共和党)によると、爆発によってテネシー州全域のAT&Tネットワークが破壊され、ケンタッキー州とアラバマ州の一部にも影響が及んでいる。住宅用電話と携帯電話、911のコールセンター20箇所が破壊され、ビジネスと政府の機能が妨げられるなどの被害が出ているという。

地元テレビ局WSMVは26日、情報筋の話として、5G技術によってアメリカ人がスパイされているなど、ワーナー氏が妄想を抱いていなかったか捜査していると伝えた。

ナッシュビルで不動産エージェントを営むスティーブ・フリドリック(Steve Fridrich)氏はWSMVの取材に、FBI捜査官から、ワーナー氏が5G技術について偏執していなかったか尋ねられたと明かした。

ワーナー氏は過去数年、ITコンサルタントとして下請けの仕事をしており、フリドリック氏は、ワーナー氏の名前を目にして、警察に連絡をしたという。なお捜査官に対して、ワーナー氏とは5Gについて、一度も会話したことはないと伝えたと述べている。

5G技術については、Qアノンサポーターを中心に、ディープステートのスパイツールに使用されているといった話や、5Gの電波がコロナウイルスを拡散させているといった陰謀論が広がっている。

爆発前に車からヒットソング

25日、発砲の通報を受けた警察官らが現場に到着すると、間もなく停車中のキャンピングカーから奇妙な警告音声が流れ始めた。車の窓は服とブラインドで覆われていたという。

ナッシュビル警察のジョン・ドレイク署長の話によると、音声は15分以内に爆発する可能性を警告するものだった。SNSに出回っている現場近くの防犯カメラによるのものとみられる動画では、「このエリアから直ちに避難しなさい。このメッセージが聞こえているなら、直ちに避難せよ」と、避難を呼びかける録音メッセージが流れた後、爆発音と同時に画面が閃光に包まれる様子が撮影されている。

Foxニュースによると、最初に現場に到着したタイラー・ルーレン(Tyler Luellen)氏は27日の会見で、車の音声は爆発を警告するもので、避難させることが第一目的だったと述べた。さらに、住人を急いで避難させ、警察車両を交差点に移動させていた際、ペトゥラ・クラークの60年代のヒット曲「恋するダウンタウン」が車から聞こえたと語った。

Mashup Reporter 編集部
Mashup Reporter 編集部です。ニューヨークから耳寄りの情報をお届けします。