米下院の倫理委員会は7日、急進左派の若手アレクサンドリア・オカシオ・コルテス議員(民主党 ニューヨーク)が調査下にあることを明らかにした。
調査内容への言及はなかった。今年6月に議員の不正行為を審査する米国下院議会倫理局 (OCE) から、問題行為に関する照会を受けたとしており、下院で共和党が多数派となる来期の委員会で「方針」を発表するとした。
調査対象の行為は不明だが、複数メディアは、昨年9月にコルテス議員がセレブの祭典「メットガラ」に出席した後、保守派グループからOCEに申し立てがあったと報じている。
ファション界のオスカーことメットガラは、ニューヨークのメトロポリタン美術館の「コスチューム・インスティチュート」が主催する資金調達イベントで、議長で雑誌ヴォーグの編集長のアナ・ウィンターがホストを務める。全て招待制で、豪華セレブが工夫を凝らした衣装で参加することで知られる。チケットは1人あたり35,000ドルとも報じられている。
オカシオ・コルテス議員は「Tax the Rich」と描かれたドレスを着用して参加。自身が提唱する政策である富裕層への増税を訴えたとして話題になった。一方、民主社会主義を標榜する議員が、金持ちセレブのイベントに加わったことに対する批判や、無料で招待されたと報じられたことから、議会の倫理綱領に違反したのではないかと疑問視する声が上がっていた。
イベントの翌日、American Accountability Foundationは声明を発表し、オカシオ・コルテス議員に対して倫理違反で責任を追求するようOCEに求めたことを明らかにした。同財団は、オカシオ・コルテス議員は公務と主張しているが、チケットが寄付または選挙資金で購入されたかに関わらず、倫理規定を逸脱した行為かどうか、「深刻な疑問」があると指摘。「下院の規則を単純に読めば、贈り物に関する下院規則25第5条に違反している」と主張した。
Foundation for Accountability and Civic Trustは、チケットに加え、オカシオ・コルテス議員が、デザイナードレスを企業から「借用」し、宝飾品を与えられたと発言した点を挙げ、規則で許可された範囲を逸脱していると指摘。「この状況全体は、規則がまさに防止するよう設計されたものだ」と述べ、OECに即時調査を求めるとした。
The National Legal and Policy Centerも、OECに申し立てを提出したとし、「オカシオ・コルテス議員は、自身とボーイフレンドの無料チケット、デザイナー衣装のローン、リムジンサービス、高価なカーライルホテルの使用代、プロのメイクアップサービス、宝飾品、その他の品やサービスを違法に受け取った」と非難した。