オハイオ州の捜査当局は13日、10歳の少女をレイプして妊娠させた27歳の男を、強姦罪で逮捕・起訴した。少女は、オハイオ州が定める人工妊娠中絶が可能な期間を超えて妊娠が発覚したため、隣のインディアナ州で中絶手術の準備を手配していると報じられていた。
オハイオ州では、連邦最高裁が先月、中絶の憲法上の権利を破棄する判断を下した後、妊娠6週目以降の中絶を禁止する州法が施行されていた。
逮捕・起訴されたのは、コロンバス在住のガーション・フエンテス(Gershon Fuentes)被告(27)。被告は警察官の調べに、少女を2度レイプしたと供述している。
Foxニュースは情報筋の話しを元に、フエンテス被告はグアテマラ共和国出身で、米国に不法滞在していたと伝えている。
少女の妊娠が判明したのは、6週間と3日目だった。地元紙コロンバス・ディスパッチによると、フランクリン郡の児童福祉課は先月22日、母親から連絡を受けた後、警察に通報したという。少女は30日に、インディアナ州で手術を受けた。
少女の妊娠の第一報を報じたのは、インディアナポリススター紙で、インディアナ州の産婦人科医のケイトリン・バーナード医師の話を元に伝えられた。10歳の少女が中絶手術にアクセスできないことが、衝撃をもって全米に報じられると、中絶の権利擁護派から州政府などへの非難が殺到。バイデン大統領も少女に言及し「既にトラウマを抱えている。手術のために他州に行かなければならない少女のことを想像してほしい」と語った。
ただし、医師の話以外の詳細は不明で、被害届なども提出されていなかったことから、事実そのものを疑問視する声が上がっていた。
オハイオ州のディブ・ヨスト司法長官(共和党)は12日、USA TODAYの取材に、第一報から時間が経過していることから「でっちあげの可能性がより高まっている」と懐疑的な見方を示していたが、容疑者の逮捕が報じられると一転し、「子供のレイプ犯が拘束されて嬉しく思う」と声明を発表した。
13日の罪状認否は、通訳を交えて行われた。ジェフリー・フーン刑事は、少女は最近10歳になったばかりで、9歳で妊娠した可能性が高いと証言した。
フエンテス被告は直近の7年間は、コロンバスに住み、カフェで働いていた。住まいは、10歳の少女と同じ場所ではないという。有罪となった場合、終身刑が科せられる可能性があると伝えられている。