米国航空宇宙局(NASA)では現在、エンパイア・ステート・ビルディングを超える大きさの小惑星が地球に接近しているとして、その動きを注意深く見守っているという。
英紙The Sunが伝えたところによると、NASAが注視しているのは、小惑星388945 (2008 TZ3) で、15日に地球に接近するとみられている。大きさは490mと予測されている。なお、エンパイアステートビルの高さは約445m。
同程度の大きさの小惑星が地球にぶつかった場合、深刻な被害を及ぼす可能性があるが、388945は地球から350万マイル(560万キロメートル)離れた距離を通過する予定で、パニックに陥る必要はない、と同紙は伝えている。
NASAでは、465万マイル(748万キロメートル)以内に接近する一定サイズの小惑星を「潜在的な危険」と定義しており、今回の小惑星はこれに当てはまるという。
世界標準時の21時18分(日本時間16日の6時18分、米国東部標準時の17時18分)頃に、時速2万9,000キロの速度で地球を通過するとみられているという。
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専門家の一部では、危険な小惑星から地球を防衛する準備ができていないことを懸念する声があがっている。
スペースXのCEOでもあるイーロン・マスク氏は2019年、「巨大隕石が最終的に地球に衝突するかもしれないが、われわれには防衛手段がない」と投稿していた。
一方、NASAでは近年、DART(Double Asteroid Redirection Test)と呼ばれる「動的衝撃によって小惑星の軌道を偏向する方法を調査、実証する」初のミッションを開始している。
計画では、昨年打ち上げた探査機が、今年9月にディモルフォスと呼ばれる小惑星に、軌道を逸らす目的で衝突する予定だという。