映画「バービー」の人気は、赤ちゃんの名前まで及びそうだ。
グレタ・ガーヴィグが監督を務めた同作品は、北米で先月21日に公開され、1億6,200万ドル以上の興行収入を記録し、初登場1位を獲得した。公開3週目には、全世界の興収が10億ドルに達し、女性監督としては「ワンダーウーマン」のパティ・ジェンキンス監督が保持していた記録(8億2,180万ドル)を塗り替えるなど、旋風を巻き起こしてる。
TMZによると、赤ちゃんの名前に関するウェブサイトBabyNames.comでは先月、「Barbie」の検索数が300%増加。「Ken」も200%増えたという。
同サイトによると、バービーは「よそ者」で、ケンは「ハンサム」という意味が込められているという。
▼主演を演じたマーゴット・ロビー
米国で大論争
「フェミニスト」をテーマとした作品に、映画批評家から称賛の声が上がる一方、保守派からは反発の声が上がった。
TheWrapは、かつてはファンタジーの代名詞や、女性のステレオタイプとみなされていた人形が、ガーヴィグによって、「複雑なフェミニストのエンパワーメントの象徴になった」と評した。「プリティピンクの包装紙で縛った有害な男性性を取り壊した」(Polygon)「フェミニズムに関する修士論文」(The Globe and Mail)などの意見も見られる。
保守派のコメンテーターや著名人からは、「これまで見た中で最もウォークな映画」(ベン・シャピーロ)、「男性に対する核レベルの怒り」(The Hollywood in Toto Podcast)「フェミニストの陳腐な話」(作家ピーチー・キーナン)、「有害な女性らしさ」(作家ダグラス・マレイ)などの批判が飛び交い、物議を醸した。
なお、バービーと同じ日に公開されたクリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」も、公開3週目で、全世界興収が5億5,290万ドルに達した。自身が監督した「ダンケルク」(2017)を上回り、最も大ヒットした第二次世界大戦映画となった。