バイデン大統領の息子ハンター氏が描いた絵画を購入した人物が、バイデン氏によって政府関連機関のメンバーに任命されていたことが判明した。ビジネスインサイダーが報じた。
昨年7月、バイデン氏は、ロサンゼルスの商業用不動産会社の経営者でフィランソロピストのエリザベス・ハーシュ・ナフタリ氏を「米国海外遺産保存委員会」の一員に任命した。ナフタリ氏はカリフォルニアの民主党員の間で影響力を持ち、今年はバイデン氏のキャンペーンに13,414ドル、民主党全国キャンペーン委員会に29,700ドルを寄付していた。昨年は、カマラ・ハリス副大統領を主役を務めたファンドレイジングイベントを主催したこともあったという。
委員は無給で、多くの場合、寄付者や親族、政治的な関係者によって占められるという。
弁護士だったハンター氏は、父親の大統領就任後に画家に転身し、2021年秋にニューヨークのギャラリーで初の個展を開催した。ディーラーがつけたハンター氏の作品の値札は7万5,000ドルから50万ドルとも報じられた。
芸術分野で名を挙げていない作家としては「異常に高い」といった疑問が専門家の間で上がったほか、間接的に政府へのロビー活動に利用されることへの危険など倫理上の問題を指摘する声もあった。
当時、作品の販売から生じる疑念を解消するため、ホワイトハウスの高官らが介入し、ディーラー側は入札者と購入者の身元をハンター氏に公開しないなどの内容を含む契約締結に同意したと報じられていた。
しかし、こうした取り決めは守られなかったという。
ビジネスインサイダーが複数の情報筋の話しをもとに報じたところによると、ハンター氏は購入者のうち2人の身元を知っていた。このうちの1人がナフタリ氏だった。
ただしナフタリ氏がいつ購入したのかは定かではない。
これに加えてインサイダーは、身元不明の1人のバイヤーが、作品を875,000ドルで購入していたことを示す資料も入手したという。
下院共和党では現在、ハンター氏の海外取引をめぐって、親子で影響力を行使した疑惑を追求する姿勢を強めている。先週、FBIの情報提供者が2020年に行われた当局者とのインタビューの中で、ウクライナの天然ガス会社ブリスマの創業者、ミコラ・ズロチェフスキー氏がバイデン親子に多額の金銭を支払ったことを明かしたと証言した文書が公開され、物議を醸した。