バイデン大統領(81)はホワイトハウスの芝生で大統領専用ヘリ「マリーンワン」を往復する際、周囲に側近らを付き添わせるようになったという。
米ニュースサイトのAxiosによると、そうなったのは4月16日以降のことで、10回中9回はスタッフや議員らが同伴している。以前は一人で、またはジル夫人と歩いてカメラマンにシャッターチャンスを与えるのが通例だった。
高齢の懸念が指摘されるなか、芝生に陣取ったジャーナリストやカメラマンの前を側近らが歩くことで、硬直したような歩き方から注目をそらす狙いがあると見られる。
大統領顧問の一部は同サイトに、芝生を一人で足をひきずるように歩くバイデン氏の映像が年齢を際立たせることを心配していると語ったほか、側近らが付き添うことで芝生を往復するイメージが改善しており、今後も続ける考えを示しているという。
なお、ホワイトハウスの主治医ケヴィン・オコナー氏は今年2月の報告書で、バイデン氏の硬直した動きは「中等度から重度の脊椎症」で、加齢に伴う大統領の背骨の「磨耗」が原因であるとの診断結果を示した。
11月の大統領選でトランプ氏との再対決が確実となったバイデン氏について、有権者の健康面を不安視する割合は高く、ピューリサーチセンターが今月実施した世論調査では、65%が大統領職に必要な健康を持ち合わせていないと回答した。26日に発表されたNBCの調査では、バイデン氏に反対票を入れる理由として最も高かったのは、インフレや移民政策といった重要課題よりも「精神および身体面の健康」だった。
バイデン陣営はこうした世論調査を「雑音」と呼ぶなど、健康不安説に取り合わない姿勢を示していたが、最近は積極的に年齢に言及し始めている。先月公開したキャンペーンビデオでは、開口一番「私は若くはない。それは秘密ではない。でも聞いてほしい、私はアメリカ人のためにどうやって仕事をやり遂げるのか理解しているのだ」と切り出した。
失言は相変わらず
ただし、失言や言い間違いは相変わらずで、先日北米建築労働組合のメンバーを前に行ったスピーチでは、「さらに4年間で何ができるか想像して欲しい。ポーズ」と台本に書かれた”間”の指示まで読み上げてしまい、保守派を中心に嘲笑する声が相次いだ。