バイデン大統領は、トランプ前大統領が考案した次期エアフォースワンの機体の配色案を却下したという。政治ニュースサイトのポリティコが、政府職員の話として報じた。
同サイトは先日、トランプ氏が決定した機体の下半分とエンジンを濃紺色に塗装するデザインは、過度な熱をもたらす可能性があると指摘。空軍関係者が、部品を冷却するための追加変更が必要で、コスト上昇につながると話したと伝えていた。
今回の決定について、政府職員は「トランプ氏の配色は、追加のエンジニアリングと時間、コストを要するため、検討していない」と明らかにしたという。
後継機の計画は、トランプ氏が積極的に関わったプロジェクトで、就任から1ヶ月後の2017年2月、ボーイングとの間の契約費を10億ドル削減し、さらに固定価格とすることで合意することに成功したと、自ら発表していた。
この翌年、国防総省とボーイング社の間で、新大統領専用機として747-8型機に基づく2機を2024年末までに設計、納品する契約が成立。契約金額は39億ドルと伝えられた。
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トランプ氏がデザインを明らかにしたのは2019年。abcニュースの取材に、白・赤・紺を基調にした配色案を披露した。ただし、これはトランプ氏の自家用機に類似しているとして、後に批判を受けることにもなった。
【トランプ案】
【トランプ氏の自家用機 通称トランプフォースワン】
改修計画は、サプライチェーンや、下請け企業とボーイング間の紛争、熟練整備士の不足などで遅れており、2023年度予算資料によると、納入は当初の予定より2年遅れになる見込みだという。
なお今のエアフォースワンの配色は、1960年代にケネディ大統領の意向によってブルーとホワイトに変更されて以来、現在まで続いている。