NBCが今月半ばに実施した世論調査で、バイデン大統領の支持率が、昨年1月の就任以来最低を記録した。
支持率は40%に低下。調査対象者の55%がバイデン氏の大統領としての仕事を支持しないと回答した。今年1月の同調査では、バイデン氏の支持率は43%、不支持は54%だった。
2020年の勝利の鍵とされた女性、黒人、ラティーノ、無党派層の支持が減少しており、再選の可能性にも不安を投げかける結果となった。
バイデン氏は先日、訪問先のブリュッセルで行った会見で、トランプ氏と再び戦うことになれば「幸運」と自信を覗かせた。一方のトランプ氏は、再出馬を公言していないが、各種調査で、共和党内の人気が独走状態にある。
ロシアによるウクライナ侵攻をめぐるバイデン氏の解決能力に対する信頼について、44%が「ほとんどない」、27%が「ほんの少し」と回答した
過半数が米国とロシアが戦争すると考えており、すでにロシアと戦争しているが16%、来年までに戦争するが41%だった。さらにウクライナ紛争の緊張が、国内のガソリン価格の上昇や核戦争につながることへの不安あると答えた人は8割にのぼった。
なお、バイデン氏はロシア軍との直接衝突を避け、第三次世界大戦に発展する危険を阻止することを最需要事項としており、ウクライナ側の求める飛行禁止区域の設定や、戦闘機の提供に応じない姿勢を明確にしている。
経済問題の対応について、不支持が63%で、2021年4月の43%から大きく拡大した。過去40年で最高水準を記録しているインフレに関して、38%がバイデン氏とその政策のせいとした。次いで多かったのがパンデミック(28%)、企業の値上げ(23%)、ロシアの侵攻を挙げたのはわずか6%だった。
11月の中間選挙で民主党・共和党のどちらが多数派を取るべきかという質問に対しては、共和党が就任以来初めて逆転。共和党46%、民主党44%となった。
先週後半から週末にかけ、バイデン氏はヨーロッパを訪問し、各国首脳との会談でウクライナ問題に関し対応を話し合った。26日にはポーランドのワルシャワで演説し、「ロシア人のみなさん、この戦争に価値はない。プーチン大統領は戦争を終わらせなければならない。アメリカ人はあなたたちと、平和を望む勇敢なウクライナ市民と共にある」とウクライナ支援の姿勢を強調。同演説でバイデン氏は「プーチン氏は権力にとどまってはいけない」と、プーチン政権の体制転換を目指すとも受け取られかねない発言をし、後にホワイトハウスが体制転換に言及したものではないと釈明する事態を招いた。
調査は3月18日から22日までの5日間で行われ、成人1,000人に回答を得た。誤差率はプラスマイナス3ポイント。