マンハッタンで29日、自転車の集団が、走行中のBMWを取り囲み、自転車を投げつけたり、フロントガラスを割ったりするなど危害を加える事件があった。
事件は午後4時過ぎ、衣料品店が立ち並ぶフラットアイアン地区の5番街とイースト21ストリート付近で起きた。車内には、36歳の男性と71歳の母親が乗車していた。abc7ニューヨークによると、2人は慈善団体に寄付品を届けた後、帰宅途中だった。
SNSに投稿された動画には、自転車に乗った若者が、窓やサイドミラーを叩き、フロントガラスに飛び蹴りを加える様子が撮影されている。集団の中には、自転車をボンネットにぶつけ、車上に登って破壊しようとする様子も映っている。
車を運転していたマックスさんは、若者が自転車で走行しながら、ドアの取っ手を握っているのに気付いたという。そのため、一旦速度を落とし、先に行かせようとした。この際、車の後ろでウィリーをしていた少年が、後部に衝突した。これが暴行のきっかけになったとabc7ニューヨークに語っている。
ぶつかる音を聞いたマックスさんは、周囲の安全を確認するため車を停車。ドアを開けようとしたところ、少年らが車を囲み「外に出ろ」「窓を開けろ」などと叫び、ボンネットや窓ガラスを叩き始めたという。
マックスさんは「フロントガラスが割れ、顔や膝に当たった。屋根が崩壊するのではないかと感じた」とその時の恐怖を語った。
「助手席にいた母親は、911に通報したが、交換手はおそらく彼女の言葉を理解できていなかったと思う。彼女の”我々を殺そうとしている。私たちは殺される。早く助けをよこして”という言葉が今も頭から離れない」と述べた。2人とも、けがはなかったという。
ニューヨーク市警察は同日、器物損害の容疑で少年らを指名手配した。同グループはこの事件の前、30ストリート付近でも、タクシー運転手に自転車を投げつけた容疑があると発表している。