米コメディアン ビル・コスビー被告、性的暴行罪で、3年から10年の禁固刑

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米ペンシルベニア州裁判所の判事は、25日、3件の性的暴行罪で4月に有罪判決を受けていた、コメディアンのビル・コスビー(Bill Cosby)被告(81)に対し、「凶悪性犯罪者」(sexually violent predator)として、3年から10年以下の禁固刑を言い渡した。

コスビー被告は、2004年に当時テンプル(Temple)大学職員のアンドレア・コンスタンド(Andrea Constand)さん(45)に、自宅で薬物を服用させ、性的暴行をはたらいたとして訴追されていた。4月、同被告は、コンスタンスさんの事件を含む3件の性的暴行罪で有罪判決を受けていた

モンゴメリー郡(Montgomery County)のスティーブン・T・オニール(Steven T. O’Neill)判事は、コスビー被告が、一度も反省の弁を述べていないこと、また心理カウンセリングの類を受けていないとして、州施設内で監禁されると述べた。弁護団が要求した保釈は認められなかったため、このまま刑に服すこととなる。

ABCニュースによると、「凶悪性犯罪者」の等級を科せられた者は、生涯にわたり、毎月カウンセリングを受け、四半期毎に当局への報告が義務付けられる。また、氏名は性犯罪者登録簿に登録され、近所や学校、被害者らに送付されるという。

弁護団は自宅軟禁を要求するも却下

検察側は、当初、コスビー被告に対して、5年から10年の禁固刑を求めていた。一方、弁護団は、法定盲人のコスビー氏が獄中で過ごすには、体が不自由な上、高齢すぎるとして、自宅軟禁にすべきだと主張していた。
また、ペンシルベニア州の性犯罪者法が違憲であり、彼の年齢で、公共の危険性はないと反論を述べたが、オニール判事は、検察側が「明瞭かつ説得性のある」証拠によって立証責任を果たしたと述べた。

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被害者のコンスタンドさんは、事件の日から15年を経た現在も、暴行による心の傷が完全に癒えず、不安や自己不信、人間不信などのトラウマを抱え「膠着した状態」で生活していると、裁判所に提出した声明で心境や現在の状況を語っている。

コスビー被告は、裁判所で証言を述べる機会が与えられたが、4月の再審を含む2つの裁判で黙秘を続けており、この日も言葉を発することはなく、感情を見せることはなかったという。

2005年にコンスタンドさんが、コスビー被告による暴行事件を警察に通報して以来、これまでに60人以上の女性が、コスビー氏による性的違法行為による被害を訴えてきた。しかし、どの事件も刑事罰に科せられていなかった。

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コメディアンで俳優のビル・コスビー被告は、4月、ペンシルベニア州の裁判所で、3件の性的暴行罪で、有罪判決を受けた。

ビル・コスビー被告 性的暴行で有罪判決

Mashup Reporter 編集部
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