2020年米大統領選で、民主党の公認指名争いに名乗りをあげていたニューヨーク市のビル・デブラシオ市長が20日、撤退を表明した。
MSNBCの朝のニュース番組に出演した市長は「予備選にできる限りの貢献をしたと思うが、私の時ではないことが明らかになった。選挙キャンペーンを終了し、ニューヨーク市長の仕事を続け、労働者のために主張を続けていく」と語った。
5月の出馬表明以来、市長の支持率は1%程度の低い数字に止まり続けた。9月の民主党候補者テレビ討論会では参加基準に達することができなかった。地元からの支持も弱く、出馬前の4月に実施したクイニピアック大学の世論調査では、市民の76%が大統領選の出馬に反対するという結果となった。またニューヨーク州の有権者を対象に行った最新のシエナ大学の世論調査では、支持率は1%未満となっていた。
撤退の一報を受け、トランプ大統領はツイッターで「過去数年で最大の政治ニュースだ」と述べ、「世論調査では確実に支持率ゼロ、驚くほど上昇の余地もあったパートタイマーのニューヨーク市長、ビル・デブラシオが、大統領選から衝撃的に脱落した。彼が帰ってくるので、ニューヨーク市はがっかりだ。」と皮肉った。
デブラシオ市長は同日、NBCに投稿した論説で、自身の今後の活動について「労働者のために戦い、ニューヨークが進歩主義の前線であり続けることを確かにすることが私の使命であり続ける」と語った。続けて「すべてのニューヨーカーの生活の質を改善する取り組みを強化する」と述べ、国民皆保険やグリーンニューディールの実行を継続すると表明。さらに「オートメーションから人々の生活を守る計画があることを確かなものとするため、ニューヨーカーとすべての地域の労働者のために戦うことを約束する」と語った。デブラシオ市長は今月はじめ、ロボット税の導入を含む、”自動化の脅威から労働者を守る”ための計画「オートメーションプラン」を発表していた。