ニューヨークのビル・デブラシオ市長(58)は明日、2020年大統領選への出馬を正式に表明する。NBCがキャンペーンの広報担当者の話として報じた。
市長は、ABCの朝の報道番組「Good Morning America」に、妻のChirlane McCray氏と出演する予定で、その場で発表するとみられる。市長の出馬で、民主党候補者は24名となる。
発表の後、市長はアイオワ州、サウス・カロライナ州などを4日間かけて回る予定だという。
2017年から2期目を務める市長は、プリスクールの無償プログラム(Universal Pre-kindergarten)の実施や最低時給の引き上げなど、全米最大の都市における実績を武器に選挙を戦う。
ニューヨーカーは出馬に後ろ向き
しかし、出馬に対する市民の反応は冷ややかで、4月に実施したクイニピアック大学(Quinnipiac University)の世論調査では、市民の76%が大統領選の出馬に反対する結果となった。なお市長は、2期目の選挙で、2021年までの任期をつとめると語っていた。
最近では、アンドリュー・クオモ州知事と協力し、アマゾン第2本社の誘致を取り付け、全米の注目を浴びた。しかし、地元議員や活動家らの反対を抑えられず、決定後にアマゾンがまさかの計画中止を発表。25,000人の雇用機会を失ったとして、誘致に期待を寄せていた市民の批判にさらされた。
生涯プログレッシブを自認する市長は、先月、ニューヨーク版グリーン・ニュー・ディールと呼ぶ「OneNYC 2050: Building a Strong and Fair City」を発表。2050年までにカーボンユートラルを達成するなど、一連の気候変動対策法案への支持を表明した。活動推進にあたり、市長は13日、トランプタワー内で支援集会を実施した。反トランプのメッセージを全米に示す絶好の機会であったが、トランプ支持者らがまぎれこみ、集会は一時カオス状態に。プラカードをもって騒ぎ立てるトランプ支持者の妨害で、記者団とのやりとりに四苦八苦する姿が放送された。
急進主義としての市長のポジションは、バーニー・サンダース上院議員やエリザベス・ウォーレン上院議員といった有力候補と並ぶ。なお、これまでの主要調査では、中道派のバイデン氏がいずれもリードしている。
民主党から出馬が期待されていた前任のマイケル・ブルームバーグ前市長は3月、不出場を発表している。