アカデミー賞受賞作品「グリーンブック」に出演していた俳優フランク・ヴァレロンガ・ジュニア(Frank Vallelonga Jr.)さん(60)の死体が、ニューヨークの路上に遺棄されていたことがわかった。
ヴァレロンガ・ジュニアさんは、俳優ヴィゴ・モーテンセンが演じた「トニー・リップ」こと、フランク・ヴァレロンガ氏の息子で、同作品では、父の兄弟ルディ・ヴァレロンガ役として出演していた。
ニューヨークポスト紙によると、警察は先月28日の午前4時ごろ、ブロンクスのハンツポイントにある板金製造工場近くで、男性が死亡しているとの通報を受けていた。
この翌日、死体を隠蔽した罪で、スティーブン・スミス(35)を逮捕・起訴した。ニューヨーク市警察の報道官は、監視カメラに、スミス被告がヴァレロンガ・ジュニアさんの遺体を乗用車から下ろす様子が映っていたと発表している。被告は、別件で取り調べの最中、犯行を自供したという。
なおスミス被告が乗車していたのは、ヴァレロンガさんの兄で脚本家のニック・ヴァレロンガ氏が所有する車だった。両者の間に面識はなかった。
死因について、捜査関係者はポスト紙に、予備的調査の結果として過剰摂取によるものとの見方を示した。明らかな外傷はなく、市の検死局が死因の特定に務めている。
ヴァレロンガ・ジュニアさんは亡くなる前、ニック氏と新作「That’s Amore」の制作に取り掛かっていた。「グリーンブック」のほかには、テレビドラマの「ザ・ソプラノズ」や「ザ・ネイバーフッド」などに出演していた。
「グリーンブック」は、黒人ピアニストのドン・シャーリーと、イタリア系の用心棒で雇われ運転手のトニー・リップが1960年代、人種差別の色濃く残る南部を旅したロードムービーで、2019年のアカデミー賞で作品賞を受賞した。