先日、公共スペースでのビデオ撮影を巡り、中国人旅行客と口論となったユーチューバー、「Dr K」ことブレンダン・カバノー(Brendan Kavanagh)氏が、プーさんのぬいぐるみとイラストと共にテレビカメラの前に登場。アートや言論の自由の重要性を訴えた。
問題が起きたのは19日。カバノー氏がロンドン市内の駅でストリートピアノの演奏を配信していたところ、中国人の集団から、撮影やSNSへの投稿をやめるよう求められた。
相手は「肖像権」などを主張したが、カバノー氏が「自由の国だ。共産主義の中国ではない」と反論すると、口論はヒートアップ。中国人男性が「人種差別発言」「法的手段に訴える」などと脅かす事態に発展した。この日は、駆け付けた警官が仲裁に入ったことで、事態は収まった。
カバノー氏がYouTubeに投稿した動画は9,000万回近く再生され、コメント欄には「馬鹿げている。毅然とした態度を取ってくれてありがとう」「われわれの権利を主張してくれたことに感謝する」など、同氏の主張を支持するコメントが多数投稿されている。
「言論の自由」のアクティビストに
カバノー氏は、この出来事をきっかけに「言論の自由の旗手」として、新たな道が切り開かれたのかもしれない。
フォロワーや動画の再生回数は伸びており、米英のメディアに多数登場。英国のご意見番として知られるピアース・モーガン氏との共演も実現した。
26日に投稿した動画では、米国を拠点とする中国系独立メディアNTDなどのカメラクルーを前に、プーさんのぬいぐるみと絵を持ち出し、「アーティストの自由を象徴するもの」と説明。プーさんは「中国本土で禁止されており、(SNSに投稿すると)取り下げられる」と中国当局による検閲に触れ、「(プーさんは)独裁政治を批判するためのアートの力を示している」と主張した。
中国では、プーさんと習近平国家主席の外見が似ているとネットで評判になって以降、画像や名前が閲覧できなくなったと報じられている。
Foxニュースに出演したカバノー氏は、今回の出来事を、西洋諸国と中国の「文化の衝突」と語っている。「彼らは西側諸国を謳歌しながら、共産主義の独裁主義的な精神を持ち合わせている」と矛盾を指摘しつつ、「その考え方は、自分には効かなかった」と述べた。「彼らという人々を世界にさらけ出したため、ひどく炎上した」と動画が反響を呼んだ理由を説明した。