昨年12月にNetflixで配信をスタートしたドキュメンタリー番組「Harry & Meghan」で、メディアや王室に対する批判的な見解を示したヘンリー王子とメーガン妃だが、かえって印象の悪化を招いたようだ。
英紙タイムズとYouGovが実施した最新の世論調査(昨年12月20日と21日、1,672人の英国人の成人を対象)では、44%はウィリアム皇太子とキャサリン妃への同情がより高まったと回答。ヘンリー王子とメーガン妃に同情すると答えたのは、わずか17%だった。
ドキュメンタリーの放送後、23%がヘンリー王子夫妻に対する印象が悪化。改善したのは7%だった。
なお18歳から24歳の若者は、ウィリアム皇太子夫妻(18%)よりもヘンリー王子夫妻(37%)に同情を感じる割合が高く、25歳以降では逆転する結果となった。
44%がヘンリー王子の称号を剥奪すべきだと回答。32%が、そうは思わないと答えた。
「ケンジントンパレス」の著書トム・クイン氏は同紙に、ドキュメンタリーについて、「見るに痛ましい」内容で、視聴者に「彼らは魂を失ったことに気づかせた」と酷評。「これで物事が改善すると思っているのだとしたら、途方もない」と感想を述べた。一方、ウィリアム皇太子はヘンリー王子について不満を示しておらず、彼らに同情が集まったのは、驚くべきことではないと語っている。クイン氏は、チャールズ国王が夫妻の称号を剥奪する「可能性は低い」との見方を示した。
調査では、65%が英王室を離脱したのは夫妻の「選択」だと回答。追い出されたと答えたのは、11%だった。
夫妻は、王室で受けた扱いを巡り、一家から謝罪を求めていると伝えられている。しかし、謝罪が必要だとしたのは19%で、過半数(53%)は謝罪に値しないとの考えを示した。
来年5月に執り行われるチャールズ国王の戴冠式には、過半数(51%)が、ヘンリー王子夫妻は招待されるべきだと考えていることがわかった。
訪英時の警護については、51%が政府は提供すべきでないと回答。提供すべきは32%だった。ヘンリー王子は現在、家族の警護を巡って、英内務省を相手取り、2件の訴えを起こしている。
夫妻は王室を離脱したことで、ロンドン警察による警護を失った。私費で警察を雇う申し出も拒否されたが、ヘンリー王子はこの判断を不当として、政府を提訴している。ロンドン警察による警護が必要な理由について、米国の警備チームは、英国の諜報機関の情報にアクセスが許可されておらず、妻子の安全を守るには不十分だと主張。警察による警護なしでは帰国できないとしていた。
なお「Harry & Meghan」は、既知の情報や、夫妻が発信する一方的なストーリーで構成されていたことから、米メディアからも「プロパガンダ」や「ナルシスト」などと、厳しい批評が寄せられている。
今月10日には、ヘンリー王子の回顧録「スペア」が発売されるが、夫妻にとって更なるイメージ低下を招く可能性もある。